エムスリーテックブログ

エムスリー(m3)のエンジニア・開発メンバーによる技術ブログです

「報告」について本気出して向き合ったら思考と行動が変わった話

この記事はエムスリー Advent Calendar 2022 9日目の記事です。前日は @sonodar によるGoogle BigQuery Connector for AWS Glue で AWS から BigQuery にデータを書き込んでみたでした。

こんにちは! エムスリーエンジニアリングGプロダクトマネージャーの髙田です。 クラウド型電子カルテエムスリーデジカルを担当しています。

さて、2022年11月2日に行われたプロダクトマネージャーカンファレンス2022、見られた方も多いのではないでしょうか?

その中のセッションの1つ「ホウレンソウで分かる、デキるPMの働き方」では、クライス&カンパニーの山本さんとエムスリー山崎が、デキるPM・イマイチPMの違いについて報連相の切り口からディスカッション形式で話されていました。 youtu.be

この記事では、私自身がエムスリー入社後に経験した「報告」に関する変化と学びを書きたいと思います。

お題:インタビューを行い気づきを報告

入社後のオンボーディングの一貫でミッションが与えられました。

【ミッション】

インタビューを通じてキーマンとコミュニケーションを行い、デジカルの歴史を知る

【ゴール】

インプット→気づき→学び→実践のサイクルを回す

エムスリー入社前にインタビューの企画〜報告まで一通り経験していたため、過去の経験を活かしてインタビューフローを設計し進めていきました。

イケてない報告の仕方(口頭編)

1人目を終えたタイミングで、インタビューフローに問題がないかの確認も込めて報告しました。

1回目の報告

この時の山崎からのフィードバックがこちら

フィードバック

  • インタビューはファクトを集める場所
  • 今回の報告はファクトではなく「考え」がほとんどで一次情報(ファクト)がわからなかった
  • メモを見てようやく何が起こっていたのか、なぜあなたがそう考えたのかがわかった
  • ファクトとオピニオンは分けること

学び

  • 自分の考えの前に、考えの元となるファクト(事実、一次情報)を共有する
  • ファクトとオピニオンを分けて伝える

イケてない報告の仕方(資料編)

全員分のインタビューを終えて2回目の報告です。

複数人の意見を比較できるように、横軸に人、縦軸に設問を並べてメモをとっていました。

  • 文字が多すぎて何を伝えたいかがパット見でわかりにくそう
  • 上位者への報告だから結果だけでなくて背景やコンテキストも共有しないと
  • 短時間で報告するには情報が多すぎる

と自分なりに考え用意した資料がこちら

2回目の報告資料 抜粋(雰囲気だけでも伝わってほしい…!)

フィードバック

  • 報告者の解釈(色、太字)でファクトがキャップされてしまっている、バイアスがかかっている
  • 周りの頭を借りたほうが、より良い解釈・意思決定に繋げられるのに、それが阻害されてしまう
  • 特に今はまだオンボーディング期。ドメイン知識やユーザー理解は他の人のほうが勝ってる、それは当たり前。だからこそ、周りを利用したほうが良い
  • ローデータを見たほうが学びが多い(山崎は事前にローデータを見ていたそうです)

今までのやり方が通じない

そもそも大量&雑なローデータを事前に見てくれてたってどういうこと!? いつそんな時間があるの!? とカルチャーショックを受ける私(所謂”上長”に対して報告待ちのイメージがあった)。

エムスリー入社前は資料を作って報告するのが慣例の会社で働いていたこともあり、

  • 根本的な考え方を変えないとだめだ
  • 自分が思う”良い”はエムスリーでは非効率かもしれない

そう思い、エムスリー流のデキる「型」は何かを観察してみました。

社内で活躍されている方の報告を観察

報告時に共有されていた資料のイメージ

Oさん

  • メモ(一次情報)を事前共有
  • 報告時はメモをそのまま画面共有
  • ファクトを抜粋して読み上げディスカッション

Iさん

  • ファクトのみ、+コメント 計2枚を準備して説明
  • それをもとにディスカッション

Sさん

  • 思考プロセスと選択肢の提示
  • オピニオンはオピニオンとわかるように記載
  • オピニオンを提示した上で相手の意見を伺う

共通していたこと

  • ファクトが9〜10割
  • ファクトとオピニオンが分離されている
  • 自分の意見はあくまで1つの選択肢というスタンス

早速真似してみた

追加でインタビューの報告する機会があり、Oさんの方法をそのまま真似して報告したところ、山崎から「前の10倍良くなったよ!」と褒められました。ハッピー。

評価ポイントは

  • ファクトとオピニオンが分離できている

とのことで、身を持ってこの大切さを感じることができました。

報告の場に対するスタンスの変化

この経験を経て、報告に対するスタンスと行動に変化が起きました。

Before / After

ちなみに、A案B案C案など複数オプションを提示する、というのは観察を通して学んだ型です。エムスリーではこれが日常的に報連相に取り入れられています。

学びを共有したら学びが増えた

私はデジカルチームの他にプロダクト支援チームにも所属しており、週1回、PMが最近学んだことを共有し、学びを深め合う定例ミーティングに参加しています。

その会で「Beforeのやり方はだめだった、Afterの方が良い」という伝え方で共有したのですが、こんな感想を頂きました。

  • Before/After どちらかが間違っていて、どちらかが正しいということではない
  • Beforeのやり方が適切なときもある
  • 選択肢が増えたと思えば良い

正直、エムスリーに来てから「今までのやり方が通用しない」と自分の力量不足を感じること多かったです。

しかし、このアドバイスを受けてからは、今までと違うやり方に出会っても「今の環境だとこのやり方が最も効率的に勝てる方法なんだ。選択肢が増えたぞ!」と前向きに捉えられる思えるようになりました。

何より、学びを共有する場が週1で設定されている(山崎やCDOも出席)こと自体がいい仕組みだと感じます。

まとめ

「報告」について本気出して向き合って学んだこと

  • ファクトとオピニオンを分けて伝えることでより良い意思決定に繋げる
  • 報告相手や環境に応じて適切な報告方法を選択する
  • 学びを共有して更に学びを深める

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今回の報告の件もそうですが、自分の経験からだけでなく、他者からの学びを通して、色んな角度から学びを深められる環境があります。

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