エムスリーテックブログ

エムスリー(m3)のエンジニア・開発メンバーによる技術ブログです

AI・機械学習チームでのプロダクトマネジメントの学びを振り返る

はじめまして、エムスリーエンジニアリングGプロダクトマネージャーの植田です。23年8月にエムスリーに入社し、エンジニア十数名が所属するAI・機械学習チームへ専任プロダクトマネージャーとして参画しています。スタートアップカルチャーが浸透している本チームで半年強働く中での学びを振り返りたいと思います。

DALL·E 3で生成したプロダクトマネージャーが学んでいる絵

どうしてエムスリーへ入社したのか

前職では6年程大手通信キャリアで社内向け基盤の開発チームでプロダクトオーナーを担当していました。日々クラウドやデジタルマーケティングの技術を追う楽しさはありましたが、プロダクトオーナーという役割*1のその先でやりたいことを考える中で、ビジネス的な価値を求められる環境でプロダクトを創り、育てていく経験をもっと積みたいと考え転職を決意しました。

複数の企業を見た中で、最終的にエムスリーへ入社したのは、

  • ロールモデルとなるプロダクトマネージャーの存在

  • 内製開発主体で新規事業立ち上げに関わる機会(打席に立つ機会)の豊富さ

にあり、プロダクトマネジメントのスキルを磨けると考えたからです。

対外的な発信も多く、エムスリーを代表するプロダクトマネージャーでもあるVPoPの山崎と共に働けることはプロダクトマネージャーとして視座を高め視野を広げる上でも大きなメリットが有ると考えました。また、これまで受委託契約で開発チームを組織することが多かったのですが、関わるメンバーと同じ目線でプロダクトの価値を追う環境を求めており、エムスリーではプロダクトをゼロイチで作れる環境があることに魅力に感じました。*2

AI・機械学習チームとプロダクトマネージャーとしての業務

現在AI・機械学習チームで十数名のエンジニアと連携しながらプロダクト開発を進めています。チームの紹介資料を載せておきます。このチームは、機械学習、プロダクト作りへ熱量を持った高いスキルのエンジニアが集まっており、その上で若く(平均年齢は30歳手前? )そして温かい、心理的安全性の高いチームに感じます。入社前に専任のプロダクトマネージャーの参画は初めてと聞いており、チームに馴染めるか心配でしたが、Slackで日々投げた質問には常に誰かが丁寧に答え、議論できる雰囲気があり、心配は杞憂でした。 speakerdeck.com

この環境の中で、エンジニア1,2名とチームを組んで、医師向けポータルの広告システムのロジック改善の推進や、医師向けの記事コンテンツ推薦の機能改善、製薬会社のMR向けの業務支援プロダクトのプロダクト立案からPoC検証まで担当しました。複数プロダクトに関わった中での学びを共有します。

学び (1):チームの足りていない領域を補完するのがプロダクトマネージャー

広告システムのロジック改善では、世界観を整理し直し、改善施策を複数回し、効果の高いアイデアを探索する取り組みを行いました。一緒に取り組むエンジニアは、新規のプロダクトを次々と生み出していく一方で、効果の分析や改善可能性を探ることは苦手でした。このエンジニアには改善案の実装をお願いする一方で、個々の施策の効果分析は私が見ていく分担で作業を進めました。

この進め方を振り返ると、プロダクトマネージャーは世界観を構築し、達成するための仕事であり、その途上にある意味のある誰もやらない仕事にも価値があることに気付かされました。特に、専門性がメンバー毎に大きく変わるエンジニアとの協業では全体のスキルの穴を埋める視点がとりわけ大事になります。また、この穴を埋める動きは、早期に信頼関係を築く上でもとても大切です。

この学びを山崎と共有した所、プロダクトマネージャーには器用な人が多く、チームの効率を上げられる。0→1の事業構築を全て担うのがプロダクトマネージャーの仕事ではなく、チームとして成果を負う必要があるとコメントを貰いました。周りを見ると確かに器用さのある人材がチームを支えているプロダクトチームの姿が目に付きました。 この学びを踏まえ、チームとして利益を生み出すために、チームに足りない知識、スキルは何かを思案しながら日々の行動に落とし込んでいます。

学び (2):いつまでに成果を出すのか決める

直近数ヶ月ユーザ目線での改善を目指し、インタビューやPoCを行うけれど中々成果に繋がらない状況に陥りました。

自身の行動を思い返すと、理想とするユーザ体験を提供するために、施策が動いていることに満足し、最終的にいつまでに、何を提供するのか具体的に決めること無く動いていました。ゴールからの逆算という視点が抜けており、ズルズルとスケジュールが伸びてしまい、稼働の割には成果に繋がらない状況でした。

AI・機械学習チームのチームリーダーと壁打ちを行い、新規プロダクト開発の多い環境では短期的な利益を積み重ねることが求められ、延いては自身だけでなく関わるメンバーのモチベーションにも影響を与えることに気が付きました。 そこで、長期的な理想を始めから追うよりも、1ヶ月程度の短期間で利益を出すことを基本とし、マイルストーンを置くことにしました。クイックに検証を繰り返しつつ、どう利益を出し切るのかをそのハンドリングはこれから磨いていきます。

まとめ

エムスリーのスタートアップカルチャーの強いチームで業務を進める中でのプロダクトマネージャーとしての学びを書きました。現場に裁量が委ねられており、その中で何を行うのか日々試行錯誤の連続ですが、プロダクトマネージャーとして少しずつ成長を感じられる8ヶ月でした。

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エムスリーではプロダクトマネージャーを積極採用中です! お気軽に先ずはカジュアル面談でお話しましょう!

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*1:プロダクトオーナーはスクラムチームにおけるデリバリーを推進する役割を指し、評価・責任もプロダクトのデリバリーに限定されていました。 参考情報:プロダクトマネージャーとプロダクトオーナーは別のものですか? | Ryuzee.com

*2:エムスリーでエンジニアバックグラウンドのプロダクトマネージャーが求められる背景は【インタビュー】及川卓也×エムスリー山崎氏 | クライス&カンパニー プロダクトマネージャーのキャリア・転職支援を参照下さい。