こんにちは、 エムスリーエンジニアリンググループ、プロダクトマネージャーの岩田です。 7月からエムスリーに入社し、主にデジカルというクリニック向けの電子カルテのプロダクトマネージャーとして働いています。
今回は私が社内向けに開発した勉強会録画プロダクトについてご紹介させて頂きます。 エムスリーではエンジニアが自らプロダクトを企画・開発したり、既存プロダクトの改善を実施すると行った取り組みが多く存在しています。 こういったエンジニアの活躍を支える社内のカルチャーや風通しの良さなどを感じていだければ幸甚です。
デジカルの紹介はこちら↓
なおデジカルのエンジニアリングについては↓の記事で触れられています。ぜひ併せてご参照下さい。
www.m3tech.blog www.m3tech.blog
前職はITコンサルティングでシステム開発やクライアントのPoCプロジェクト支援等に携わっていました。 プロダクトマネージャーとしての経験は無かったため、新米プロダクトマネージャーとして日々奮闘しています。
課題設定
M3ではテックトークと呼ばれるエンジニアの社内勉強会が定期的に開催されています。 ある日、VPoEが一言「今週テックトーク出られないから撮影しておいてもらえませんか?」と私に依頼をしてきことがきっかけとなりました。
実際にやってみると分かるのですが、こうした勉強会の撮影は意外と手間がかかります。
- 撮影中、スマホが電池切れの危機
- 無駄に高画質で撮ってしまい、動画容量が5GB超え
- オートフォーカスが仇となり、スライド部分が綺麗に撮影できない
- スマホ→PCへのデータ移動(Airdrop)で30分、Google Driveへのアップロードで10分以上待つ
仮にスマホではなくビデオカメラを使う場合でも、器材の設置やらなにやらで毎回1時間程度は要するのではないでしょうか。
仮説
こうした社内勉強会やトレーニング、定例会議を録画してアーカイブ化する業務はそこかしこで行われています。 仮にこのアーカイブ化が劇的にラクになるプロダクトがあれば、社内トレーニングや社内勉強会を行ってる数多くのIT企業や団体から引き合いを頂けるのではないでしょうか。
この仮説の裏付けとしてM3のエンジニア(中途)の方向けに、前職で社内勉強会が開かれていた頻度のアンケートを取ってみました。 結果として、回答者の前の職場の半分程度の企業が月次もしくはそれ以上の頻度で勉強会を開いている一方で、録画については人手不足等のため行えていなかったことが分かり、これはMVPを作ってみる価値がありそうだと判断しました。
MVP開発
開発したタイミング
エムスリーではエンジニアリンググループ内の有志同士、2泊3日で好きな開発をする開発合宿というイベントが有ります。 当然これは業務扱いになるため、土日の2日分は別の日に代休を取ることができます。 ここで一気にプロトタイプの開発を行い、プレゼンを行いました。
プロダクト概要
講演をするPCの画面と音声を録画&録音し、これを組織内で共有する社内向けプロダクト、発表録画君を作りました。
発表者の画面の表示内容(カメラの映像では有りません)と、発表者の音声が録画&録音され、動画としてアップロードできるプロダクトです。 発表録画君が実現した要求は以下のとおりです。
- 誰でもPC一台で簡単に録画&録音が可能
- 社内での動画共有、社外からのアクセス禁止
- 社内における公開範囲の絞り込み
言語はすべてJavaScript(サーバーサイドはTypeScript)、Firebaseとherokuを組み合わせて開発しました。 技術的なチャレンジはあまりしていません。JavaScriptを採用したのは単に私が慣れているからです。 その分、これまでにプロダクトの企画・設計に労力を割きました。
仮説検証
合宿終了後、バグ修正などを行った後、実際に社内で展開したところありがたいことに何件か引き合いを頂き、実際にいくつかのトレーニングの録画を実施しました。 またこの中で様々な声やフィードバックも頂いているため、これを盛り込みながら随時社内での浸透を目指しています。 具体的には以下の通りです。
- 録画のためにプロジェクターがある部屋を取る必要がなくなった
- これまで口伝でしか残せなかった社内システムの使い方を簡単に動画として残せる
- 社内トレーニングシステムとして、視聴履歴の管理やテストを出す機能があると便利
- 医師の学会発表の支援プロダクトとして、スライド作成からフィードバック回収までトータルでサポートするとビジネスインパクトが大きそう
当面は社内トレーニングシステムとしての機能を拡充させていきつつ、社内の全トレーニング、定例会議の録画がされるレベルまでの普及を目指していきます。
開発を通して感じたこと
余談にはなりますが、こうしたプロトタイプを他人に見せることは結構プレッシャーがかかります。 面白くないと一蹴されたり、「良いんじゃない」的な投げやりなフィードバックは来ても実際には使ってもらえないといったことも往々にしてあるかと思います。 しかし今回のプロトタイプの発表ではそうした後ろ向きなフィードバックはまったくなく、プロダクトの改善点や、実際に使ってくれそうなユーザーを紹介頂くなど、前向きなフィードバックを頂くことができました。
オフィスはAICという少し堅苦しい(?)場所に位置していますが、このような風通しの良さやエンジニアの創意工夫を促すカルチャーがしっかりと整備された、プロダクトマネージャーにとって非常に働きやすい職場だと思います。
We are hiring!
エムスリーではこういった創意工夫が好きなエンジニア、プロダクトマネージャーを鋭意募集中です! 少しでも興味を持っていただけたら、お気軽にお問い合わせください。 まずはカジュアル面談でお話ししましょう!