皆さんこんにちは、こんばんは。エムスリー執行役員VPoEをやりながらPdMもやっている山崎です(デザイン組織のリードと品質管理の責任者もやっています)。
はじめに
エムスリーでは現在、アフターコロナ時代の新しい働き方へ向けて、オフィスの縮小を行っております。具体的には、赤坂インターシティ10Fと11Fの2フロアを、10Fの1フロアに統合、フリーアドレスを導入します。
各自、準備のために月末までにデスクを空にして、必要な物があればダンボールに詰め込む作業をしているのですが、先日私も出社して荷物の整理を行いました。
その際に、2018年に検討していた「エンジニアリングG組織コンセプト案」が発掘されたので、本日はそれを紹介したいと思います。
組織コンセプト案検討の背景
以前の記事でも紹介した通り、エムスリーエンジニアリンググループ(以下エンジニアリングG)では2017年12月よりVPoE制度を導入し、数多くの組織改革を行ってきました。
特に2018年7月には技術顧問の皆さんにも参画頂き、非常に有用な意見を頂いてます。
その際に、エムスリーエンジニアリングGのカルチャーやその時点での方向性を技術顧問の皆さんにお伝えするために作ったのがこの資料です。
結局、私の「変わり続けることが重要であり、考えを固定することを好まない」という性格が出てしまい、こちらの文書を公にすることはなかったのですが、デスクの整理中にたまたま出てきたこの文書を改めて読み返すと、それから約4年間、当時のこの案に支えられてきた部分が大きいと感じており、折角なのでテックブログとして公開することにしました。
ショートバージョンとロングバージョンがありますので、両方公開します。
エンジニアリングG組織コンセプト案(ショートバージョン 2018年8月更新)
「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を一人でも増やし、不必要な医療コストを一円でも減らす」これがエムスリーのミッションだ。我々エンジニアリングGのミッションは、エンジニアリング的な観点からこのミッションの達成に貢献する。具体的には下記のコンセプトを通じてこのミッションの達成に貢献する。
1. 技術で世界の医療を変革する
我々は技術で世界の医療を変革する。具体的には技術の力で医療の世界を変革するような、圧倒的なサービスやプロダクトを創造し、それらをグローバルに展開することで世界の医療に貢献する。新しい医療サービスとスタンダードな医療サービス、新しい技術とスタンダードな技術、これらの2つ軸をかけ合わせ、更にグローバルという第3の軸で立体的に世界を変革する。
2. 技術力、ビジネス貢献、組織貢献を追求する
我々は技術力、ビジネス貢献、組織貢献を追求する。圧倒的なサービスやプロダクトを創造するには技術力、ビジネス貢献、組織貢献の全てが必要だ。そのために我々はプロフェッショナルとして自らの技術を磨き、最先端の技術を習得し、コミュニティに貢献する。医療と世界を変革するために、技術だけでなく、ビジネス貢献と組織貢献を怠らない。
3. 組織をスケールする
我々は組織をスケールする。圧倒的なサービスやプロダクトを創造し、技術で世界の医療を変革するなら、組織の力が重要だ。組織の拡大、チームの拡大、チームの成長の3つの軸で拡大する。戦略的にチームを増やし、尊敬できる仲間を集め、生産性の最大化を通じて組織を成長させる。
エンジニアリングG組織コンセプト案(ロングバージョン 2018年8月更新)
「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を一人でも増やし、不必要な医療コストを一円でも減らす」これがエムスリーのミッションだ。我々エンジニアリングGのミッションは、エンジニアリング的な観点からこのミッションの達成に貢献する。具体的には下記のコンセプトを通じてこのミッションの達成に貢献する。
1. 圧倒的なプロダクトやサービスを創造する
ミッションを達成するために、我々は他のスタッフと協力し、医療業界をイノベーションする圧倒的なプロダクトやサービスを創造する。顧客に受け入れられる圧倒的なプロダクトやサービスは、次の成長のために必要な圧倒的な収益も生み出すはずだ。
2. グローバルに展開する
ミッションを達成するために、我々はグローバルに展開する。医療は世界的な問題なので、日本での問題解決はグローバルに展開できる可能性があるだろう。世界で通用する圧倒的なプロダクトやサービスを創造すれば、世界の医療に貢献できるはずだ。
3. 世界最高レベルの組織に成長する
ミッションを達成するために、我々は世界最高レベルの組織に成長する。エンジニアがいきいきと仕事ができる組織に成長するために、一人ひとりが組織に貢献し、日々改善を行う。そんな組織にはレベルの高いエンジニアが集まり、規模的にも成長するはずだ。
4. フラットな組織であり続ける
ミッションを達成するために、我々はフラットな組織であり続ける。一人ひとりが自走できるプロフェッショナルな集団であれば、ヒエラルキーは正しい意思決定やスピード感を阻害するだろう。我々はフラットな組織であり続けるためにお互いオープンに情報を発信する。
5. サービスレベルと品質を重視する
ミッションを達成するために、我々はサービスレベルと品質を重視する。サービスレベルと品質を期待を超えるレベルで維持するには、それらを管理し改善することが重要だ。我々はそれらを効率的に管理し、人任せにせず、一人ひとりが向き合い、工夫し、改善する。
6. 生産性を追求する
ミッションを達成するために、我々は生産性を追求する。生産性を高めることを優先し、妥当なコストで便利なサービスを導入・開発し、作業を自動化すれば、無駄が大きく削減できる。その時間で、圧倒的なプロダクトやサービスを創造するための重要な作業に集中する。
7. 技術的負債を管理する
ミッションを達成するために、我々は技術的負債を管理する。技術的負債が多すぎれば圧倒的なプロダクトやサービスを成長させ続けるのは困難だ。一方で、技術的負債の発生は避けられない。我々は技術的負債を常に管理し、積極的かつ計画的に返済する。
8. 技術力と問題解決力を磨く
ミッションを達成するために、我々が技術力を磨くのは当然だ。それに加えて問題解決力を磨けば、圧倒的なプロダクトやサービスを次々と創造できる。一人ひとりが技術力と問題解決力を磨いてCTO的に振る舞えば、多くの未解決の医療の問題が解決できるはずだ。
9. 若手を巻き込み育成する
ミッションを達成するために、我々は若手を巻き込み育成する。優秀な若手のエンジニアは無限の可能性とエネルギーを持つだろう。我々は圧倒的なプロダクトやサービスを創造するために、若いエンジニアを積極的に採用し、プロフェッショナルとして育成する。
10. 複数の目標を同時に追求する
ミッションを達成するために、我々は複数の目標を同時に追求する。収益を上げることと、エンジニアリングを楽しむことは矛盾しない。短期的と長期的な施策をバランスよく実施することも矛盾しない。我々は安易なトレードオフを行わず意欲的に2つの目標を追求する。
11. 最適な技術を必要に応じて選択する
ミッションを達成するために、我々は最適な技術を必要に応じて選択する。技術の進歩は目覚ましく、日々、従来の技術を改善した強力な新しい技術が生み出される。我々は医療の問題を最新技術を駆使して解決するために自分たちの可能性を制限しない。
12. 皆をプロフェッショナルとして尊重する
ミッションを達成するために、我々は皆をプロフェッショナルとして尊重する。一人では圧倒的なプロダクトやサービスを創造することは出来ず、強いチームが必要だ。組織内外、社内外、どんな場面であれ、皆をプロフェッショナルとして尊重し、強いチームを実現する。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ショートバージョンでは、エムスリーのミッション達成のために、エンジニアリングGが達成すべき3つのゴールが端的に示されており、我ながら上手いことできたような気がします。
ロングバージョンでは時代を先読みしたかのように冒頭からPLG(Product-Led Growth)的な発想が盛り込まれており、また、その次にグローバル展開が来るなど、まさに今エムスリーエンジニアリングGが力を入れている部分がしっかりと書かれていて、これまたよくできているな〜と感心しました。
って、この考え方を中心に、皆で協力してやってきたから今があるんですけどね^^。
直近のエンジニアリングGの組織マネジメントの話については、以下のfukabori.fmでも語っています。よかったら聞いてみてください。
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