こんにちは、エムスリーエンジニアリングGの榎田 (@niflh) です。趣味は数学とゲームです。 GW は対馬に旅行して aji wo [K]utta*1 り、 Ghost of Tsushima のシナリオをクリアしたりしました。
エムスリーでは隔週金曜日に Tech Talk という社内勉強会を実施しており、私もたまに発表しています。今回は、私がこの1年プライベートで主催した数学の勉強会について、特に進行上の工夫について発表しました。本稿では、その内容を紹介します。元動画はこちらです↓。
勉強会の概要
Michael Spivak, "Calculus on Manifolds" をテキストとし、多変数関数の微積分を扱いました*2。
Tech Talk では、勉強会の数学的な内容ではなく、むしろ勉強会の進め方や技術的な工夫にフォーカスして話をしました。
進行方法
勉強会を進める中で徐々にやり方が変わっていった部分もあるものの、大まかには次のような形で落ち着きました。
- 会場はリモート(discord)。
- LaTeX のノートはコンパイルして事前に共有する。
- 手元に iPad を用意し、ノートアプリを起動する。
- 有線接続した iPad の画面を QuickTime Player で Mac のディスプレイにミラーリングし、ノートアプリを黒板がわりにする。
- 勉強会の際には LaTeX のノートと、黒板がわりのノートアプリの両方を画面に共有する。
よかったところ
- 黒板がわりの領域ができたのでリアルタイムで板書ができた。
- 事前に内容を全て用意して読むだけにすると、進行のスピードが制御できずに聞き手を置いていきかねません。それをある程度防げたと思います。
- 書いた板書の内容が、そのまま pdf ファイルとして記録に残った。
- 図や文章の一部を、ノートアプリの投げ縄ツールでそのままコピー&ペーストするという楽ができた。
- 具体例は動画で説明しているので、ぜひ動画もご覧ください。
課題・反省点
- 「黒板がわりの領域」がせまい。
- リアル世界での黒板に比べたらかなり小さく、「ちょっと前に書いた内容」を参照するにはスクロールが必須です。これは手間でした。
- VR 技術を利用し、 VR 内で実施すればこのあたりの物理制約は解消できますが、今度は機材の準備が大変です。「数学の勉強会をするので VR ゴーグル買ってね!」は言いづらいでしょう。
- 反応が見えにくい。
- 私個人はもともと通話越しに勉強会をするのには慣れていました。が、聞き手側の表情が見えないのは、相手の理解を確認したい際などに不便です。
- こまめに休止ポイントを設け、都度質問を受け付けるなどの地道な工夫を続けました。
まとめ
数学の勉強会の話をしました。
We're hiring!
エムスリーの Tech Talk では幅広いジャンルの話ができます。数学もそのひとつです。私も今回は勉強会のやり方にフォーカスを当てて話をしましたが、普通に数学の話をしている回もあります。社外の方も参加できますので、興味が湧いたらぜひ一度聞きに来てください。
*1:私はアンドロイドではないのでアジを食べても大丈夫です。
*2:私の個人ホームページ に細かい進行の記録やノートを残しています。興味があればご覧ください。