天皇賞も近くなってきた春の時期ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。どうもこんにちは、AI・機械学習チームの丸尾 (@snowhork) です。好きなウマ娘はナリタブライアンです。
今日は、天皇賞も近いということもあり、競馬の必勝法についてみなさんにご紹介したいと思います。
「必勝法なんてあるわけないやろ!」と思った読者の方、このロジックのどこに穴があるか考えながら読むと楽しめると思います。
この記事は、社内テックトークで話した内容の紹介ブログになります。テックかどうかは微妙ですが、確率の話が出るのでまあテックということにしてください。
オッズの計算方法
今回お伝えする必勝法は、「二番人気のオッズは2倍以上になる」ということを利用します。そのためには、まずオッズの計算について理解する必要があります。
馬券Aのオッズは以下のように計算できます:
馬券Aのオッズ = (全馬券の購入枚数) / (馬券Aの購入枚数)
なお、実際は手数料で30%前後減算されますが、今回は手数料0で考え簡略化しています。
馬券のオッズは、その馬券が占める割合の逆数であるとも言えます。このことから、二番人気が過半数を占めることはないので、オッズが必ず2倍以上になります。もちろん、三番人気以降もオッズが2倍以上になりますが、今回は、一番勝率が高いと思われる二番人気を利用することにします。
必勝法?
というわけで、以下のような必勝法を考えます。
第1レースの2番人気に1000円かける
- 当たれば、利益が 2000+ (配当金) - 1000 (掛け金) = 1000+ の儲けで終了
負けたら、第2レースの2番人気に2000円かける
- 当たれば、利益が 4000+ (配当金) - 3000 (掛け金) = 1000+ の儲けで終了
負けたら、第3レースの2番人気に4000円かける
- 当たれば、利益が 8000+ (配当金) - 7000 (掛け金) = 1000+ の儲けで終了
....(以下、倍々で繰り返し)
果たしてこの方法は必勝法と言えるでしょうか?
もちろん、現実的にはうまくいかないなのはすぐにお分かりかと思います。
自分の資金不足
- 1000円スタートの場合、最終12レースでは200万円の掛け金になっている
相手の資金不足
- 指数的に増える配当金を相手が払えず倒産する可能性がある
レース数不足
- 基本的に、競馬は1日12レースしかありません。
というわけで、この方法は現実には使えません。そもそも勝っても1000円の儲けにしかなりません。
しかし、これらの現実的な制約を取りはらい、自分も相手も十分な資金がありかつ、レース数も十分な回数がある場合、必勝法と言えるでしょうか?
十分な資金と十分なレース数があった場合
そうだったとしても、実はこの方法は必勝法とは言えません。なぜなら、指数的に賭け金を増やしていくと、自分の掛け金だけでその馬券を1番人気に押し上げてしまい、上記の必勝法を使うことができません。残念!
まとめ
うまい話には必ず裏があります。みなさま気を付けましょう。ちなみに私は人狼が上手だと社内のゲーム仲間によく言われます。
確率に関する面白いパラドックスはたくさんあり、同じチームの北川さんによるテックトークでも紹介されています。こちらも面白い内容なので、なぜパラドックスが起きるのか考えながら見ると楽しいです!
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