こんにちは、エンジニアリングG プロダクトマネージャーの佐野です。
私は今、新規プロダクトを立ち上げている最中です。この過程で、プロダクトを成功させるためには、自分自身がプロダクトの価値を信じて、成功のためにあらゆる手段を尽くすことが重要だと学びました。プロダクトマネージャーは、不確実な世界に踏み込むことも多く、自分の今選んでいる道が本当に正しいのか、不安になるようなこともあると思います。そのような方にこの記事が届けばと思い、経験と学びをシェアします。
新規プロダクト立ち上げの背景
私は、ビッグデータを用いて、クライアントへコンサルティングサービスを提供するチームに所属しています。その中でプロダクトマネージャーとして、コンサルチームのメンバーがしたい分析を自由かつ素早くできるプロダクトを提供し、質の高いコンサルティングをできるようにすることを目指していました。このプロダクトをSaaSプロダクトとして、直接クライアントへ提供できないか、と考えたのが新規プロダクト立ち上げのきっかけです。
一方で、コンサルチーム向けプロダクトは、自由に分析ができることの裏返しで、必要な背景知識が増え、操作の複雑度も増していました。そのため、私たちのチームメンバーでなければ扱うのが難しいプロダクトとなっていました。そこで、UI・UXを見直し、誰でも扱えるプロダクトに仕立て直す必要がありました。
自身の興奮とは裏腹にクライアントの反応は…
早速MVPを開発し、意気揚々とクライアントへヒアリングを向かったのですが…思いの外、反応が芳しくない。
「あったら嬉しい。しかし、今ではない」
要約するとこのような反応です。コンサルティングサービスがクライアントの好評を博しているとあれば、わざわざエムスリーへ依頼せずともクイックにデータ分析が行え、自身で示唆が出せることにも価値を感じて頂けるのではないだろうか…
そう考えていたのですが、バーニングニーズと言えるほど芯を食った提案になっていませんでした。
プロダクトの価値を信じてユーザーを探す
とはいえ、簡単には諦めきれず、誰かこのプロダクトを強烈に求めているユーザーは他にもいないのか、と考え始めました。そこで、エムスリー社内に、バーニングニーズが存在しないかと考え、MVPを携えて、ヒアリングと分析事例を紹介する勉強会を開催しました。数十名のメンバーへプロダクトの魅力を伝え、フィードバックをもらいましたが、次のような、明らかに前のめりなフィードバックがいくつかのグループから返ってきました。
- 自分のグループのメンバー全員が、このプロダクトを使える世界を目指すべき
- 早く使えるようにしたい。どのような手続きを踏めばいいか
- これ、もう使えるんですか? 私が使って広めていきますよ
これに手応えを感じ、今では、クライアント向けだけでなく、社内で広く活用することも見据えてプロダクト開発を進めています。結果として、クライアントから対価を得るだけでなく、社内の他サービスへの売上貢献も可能となるため、ターゲットユーザーを拡大できました。
簡単に諦めない
私は、全員が全員、賛成するようなプロダクトでは大きなインパクトを生むことはできないと考えています。*1新しいことにチャレンジしているからこそ、様々な反応が生じると思いますが、肝心のユーザーからの反応がイマイチだと、つい覚悟が揺らいでしまいます。
しかし、イノベーティブなホームラン級のプロダクトというのは、アイデアやプロトタイプを見せた時に、全員が欲しがるものではなく、一部の人が熱狂的に欲しがるものであることが多いものだと思います。そこで簡単に諦めず、プロダクトが活きる道を信念を持って考えられるかどうかは、プロダクトの成否を左右する実感がありました。また、私の場合、周囲のメンバーの助けもありました。取締役CTO/VPoPの山崎さんとの1on1の中で、
「良いプロダクトなんだから、もっと自信を持って」
と励ましてもらったことで、プロダクトの価値を信じ抜くことができました。このようにチームでプロダクトマネージャーの挑戦を後押ししてくれる環境があることも非常にありがたく感じました。
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