エムスリーテックブログ

エムスリー(m3)のエンジニア・開発メンバーによる技術ブログです

MVPアプリを2週間で開発した話 ~プロダクトマネージャーとしての「製品の発見」への取り組み方~

こんにちは。エムスリーエンジニアリンググループ、プロダクトマネージャーの中村です。

エンジニアリンググループでは、エムスリー Advent Calendar 2019を絶賛更新中ですが、本ブログはProduct Manager Advent Calendar 2019の8日目の記事です。

今回のブログでは、先月開催したソフトウェア・ファーストで医療業界を変える!エムスリーのプロダクトマネージャーの働き方紹介という勉強会で発表した、MVPアプリを2週間で作って仮説検証をした話について書きたいと思います。

プロダクトマネージャーの仕事は「製品の発見」

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INSPIRED第2版 三浦海岸にて

エムスリーのプロダクトマネージャーの必読書でもあり、先日第2版が発売された「INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント」では、プロダクトマネージャーの主な責任について、以下のように書かれています。

可能性を評価し、何を作って顧客に届けるのかを判断することだ。

(INSPIRED第二版のP58より引用)

そして

製品発見の目的は次の4つの重要なリスクに対処することである。

  • 顧客はこれを買ったり、これを使うことを選んでくれるだろうか?(価値のリスク)
  • ユーザーはこれの使い方が分かるだろうか?(ユーザービリティのリスク)
  • 私たちはこれを作れるだろうか?(実現可能性のリスク)
  • このソリューションは私たちのビジネスに貢献するだろうか?(事業実現性のリスク)

(以上、INSPIRED第二版のP183より引用)

今回は、これらリスクのうち「価値のリスク」の検証をクイックに行った話になります。

具体的事例

エムスリーペイシェントサポートプログラム

「エムスリーペイシェントサポートプログラム(以下M3PSP)」は、企業の従業員向けに最適な医療を選ぶための支援を行うB2E型サービスです。

  • 医療機関の選択や治療方針に関する不安を抱える患者さんのからの相談を、エムスリーの専任スタッフ(看護師・保険師)が受け、エムスリーが持つ28万人の医師ネットワークを活用してサポートします。
  • 従業員には会社の福利厚生として提供されます。
  • NPSのスコアは80以上を維持する、利用者からの評価が高いサービスです。

解決したい課題

病気になった時に相談するサービスという性質上、全員が今すぐ使うものではないため、使わないと良さが分からないかもしれないという課題があります。従業員の方にいざという時に利用していただけるように、サービス認知度を高めることがサービスが成長していく上で必要不可欠です。

仮説検証の進め方

今回の取り組みは、M3PSPの事業責任者に、課題を解決するソリューション案を提案したところから始まりました。

仮説検証の方法を検討した結果、

  • プロダクトはアプリとして提供する
  • 検証をクイックにやるために開発期間は1~2週間
  • いきなり導入企業全体でテストをするのではなく、協力を得やすい一部企業に絞ってテストを実施する

という方針で進めることにしました。

Androidアプリを開発1週間、QA1週間の計2週間で開発

MVPアプリを開発するうえで意識した点は下記の4点です。

  1. MVPのスコープを、基本通り「顧客に価値を提供できる最小限のプロダクト」とした
  2. MVPアプリのソースコードは捨てる前提で割り切った
  3. iOSアプリを作らずAndroidアプリのみに絞った
  4. サーバーを立てず、Firebaseで完結する設計とした

2週間で開発できた最大のポイントは、1点目の「MVPのスコープを基本通り『顧客に価値を提供できる最小限のプロダクト』としたことです。今回必要な機能は「コンテンツが読めること」と「Push通知が配信できること」の2点のみだったため、それ以外の機能は一切作らないことを徹底しました。

とはいっても、検討していくうちにいつのまにかスコープが広がってしまう、ということもあるかと思います。*1 今回上手くいった要因を思い返すと、自分の中で先に1週間という期限を決めたことにあったと気が付きました。先に目標期間を決めることで、期間から逆算して、その期間内に「顧客に価値を提供できるプロダクト」を作るためにどうすればいいかという視点で考えることができたからです。

まとめ

プロダクトマネージャーの主な責任である「製品の発見」について、私が実際に進めているプロジェクトの事例を紹介する形で書かせていただきました。

具体的には、「価値のリスク」に対するソリューションを検証するためのMVPアプリを2週間(開発1週間、QA1週間)で作り、対象者を一部企業に絞りテストを実施しました。

今回の取り組みでの一番の学びは、MVPとして必要最小限のプロダクトを作るためには、あらかじめタイムボックスを切るというアプローチが有効だということです。

引き続き、M3PSPの成長へ寄与できるプロダクトを作るべく、プロダクトマネージャーとして「製品の発見」に全力で取り組んでいきます。

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プロダクトマネージャー(エンジニアバックグラウンド) / エムスリー

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*1:私自身、いつの間にかスコープが広がってしまい、途中で気づいて慌てて見直すということはあります。修行に励みます…