こんにちは、エムスリーで約1ヶ月間インターンをしていた(している)山田です。
今回私はソフトウェアエンジニアのインターンに参加したのですが、この記事ではプロダクトマネージャー(以下PM)のインターンについて書きます。
PMインターンのきっかけ
採用担当の方とお話した際に「他のチームも覗いてみたいですね〜」「PMにもちょっと興味があるんですよ〜」と軽く(本当に軽く!)言ってみたら、翌日あたりには他のチームでのPMインターンにも参加できることになっていました。PMに関する知識はほぼ無かったので本当に大丈夫なのかと不安にもなりましたが、元々PMインターンのプログラムがあったわけではなく期間も限られていたことが幸いして半日×3日間でPMとしての基礎を身につける! という私に合わせたインターン計画を組んでいただくことが出来ました。
ソフトウェアエンジニアの仕事もあるため事前学習の時間はあまり取らず、PMの企画会議にちょっと参加したり、関わるプロダクトについての説明を軽く受けたりした程度の状態で当日に臨みました。
1日目 - 発想
まずPMについての知識がなかったため、メンターの山崎さん・境さんからざっくりと以下のような説明を受けました。
- 発想 → 検証 → IA(Information Architecture、画面設計書のようなもの) の流れで企画を進める
- PMとしていちばん大切なのは仮説の検証を通じてより良いアイディアを生み出せること
今回のインターンでは「発想の段階で出したアイディアについて、そのアイディアが成り立つための前提仮説を丁寧に検証し、確実にいけると確信できたらIAに落とし込む」というPMの工程を3日間で全て体験します。
説明の後に【電子カルテを自動学習で圧倒的によくする!】というお題を頂き、初日はアイディアを出すところから始めました。アイディアを出す際には 誰のどんな困りごと(課題)を解決するのか、解決できたらどの程度のインパクトがあるのか を明確にする必要があるそうです。な〜んだそんなの簡単じゃん! と思うかもしれませんが、いざやってみると案外難しく、追加・変更する機能の内容ばかりに気を取られて課題から離れてしまっているアイディアを出してしまうことが何度かありました。特にエンジニアだとよくあるらしいのでやってみてください。最終的に5つほどのアイディアをまとめて簡単なプレゼンをしました。
2日目 - アイディアの検証
前日に出したアイディアを元に、アイディア・困りごと・インパクトを表にまとめてそれを検証しつつ、より良いアイディアは無いか? と考えていきます。一つの困りごとに対して様々なアプローチのアイディアを出し、そこから新しい困りごとが見えたらまたそれに対するアイディアを考える……という作業を繰り返して、メンターの境さんにアドバイスを頂きながら前日は5つだったアイディアを30個ほどにまで増やしました。
ある程度アイディアを出し切ったら、その中から筋の良さそうなものを選んで、今回は社員の有識者にインタビューをします。今回は困りごとを2つ選び、それぞれに対してアイディアを3つずつ見ていただきました。この際、「どのアイディアが一番良いか」に着目してしまいがちなのですが、大切なのは各アイディアについて「それぞれのアイディアをより良くするためにはどうするべきか」を考えることだそうです。私も前者に寄ってしまっていたのですが、メンターさんやインタビュイーの社員さんから指摘を受けつつ各アイディアに対する意見を頂くことができました。
3日目 - 仮説の検証
最終日です! この日は前日のインタビューで頂いた意見を元にもう一度検証を行いました。これまでにまとめていた内容に加えて、各アイディアに対する前提仮説も書き出していきます。例えば私は問診票を使ったアイディアを出したのですが、それに対しては以下のような前提仮説をリストアップしました。
- 問診票は電子データとして入力されているのか
- 問診票では本当に必要な情報が確認されているのか
- 問診票に記入された内容は信用できるのか
- 問診票の項目は診療科ごとに異なるのではないか
書き出しが終わったらもう一度インタビューを行います。アイディアについてはとにかく自由にたくさん出したのですが 、検証は批判的に行わなければなりません。重要な前提仮説から順番に確認し、アイディアに対する意見をいただきました。実際の企画ではインタビューをしてアイディアを再度ブラッシュアップする、という検証プロセスを何度も繰り返すのですが今回は時間が限られていたので、ブラッシュアップしたアイディアの中から一番良さそうなものを選び、それについてのIAを書いて終了です。
まとめ
3日間を終えて、PMとしての考え方を知ることが出来ました。エンジニアとして働いていると課題は決まっている場合が多く、それに対する(主に技術的な)アプローチを考えることがメインになるのですが、PMの場合はそれだけではなく本質的な課題を探すところから始める必要があります。「抽象の階段を上り下りする」のだと何度か言われましたが本当にその通りで、抽象的な困りごとと具体的な仮説やアイディアとの間を行ったり来たりしつつ企画を進めることはとても難しく、同時に楽しいことでした。今回得た考え方は訓練を繰り返すことで身につくものだと思うので、今後も意識していこうと思っています。
また、良いプロダクトをつくるためにはそのための環境が必要なのだということも実感しました。アイディアに詰まったときに相談できるメンターさんや、インタビュイーとして的確な意見を出してくださる社員さんが揃っていたからこそ、初心者の私でも充実したインターンを体験することが出来たのだと思います。たくさん頂いたフィードバックも今後活かしていこうと思います。本当にありがとうございました!