エムスリーテックブログ

エムスリー(m3)のエンジニア・開発メンバーによる技術ブログです

共有会をより効果的にするために考えたあれやこれ

この記事は エムスリー Advent Calendar 2023 の 8 日目の記事です。
前日は小栗さんによる kannonを実プロダクトに組み込んで3倍高速化を達成した話 でした

こんにちは、SREチームの後藤です。
エムスリーでは各チームのSREが集まって情報共有をする SRE Meetup という共有会を7月から新たに始めました。 このように情報共有のために集まるということは一般的に良くあることかと思いますが、効果的に運営していくには実は考えることが多いです。 今回はSRE Meetupの企画から実施までに意識して取り組んだ工夫を紹介していきたいと思います。

背景:エムスリーのSREを取り巻く組織事情

エムスリーにおけるSREは、コアSREとチームSREの2種類が存在します。

  • コアSRE
    • SREチームに所属。全社横断的なリソースの管理や施策の推進を担当。
  • チームSRE
    • 各チームに所属。チーム内で担当サービスのSRE活動を推進。

チームSREが生まれた理由には当時の組織の状況やクラウド移行への取り組みなど様々な要因があるのですが、詳しくは下記の記事をご覧ください。

www.m3tech.blog

エムスリーは各チームが自立しており独立性が高いのが特徴なのですが、そこに合わせてチームSREが発展していったことで、SRE同士の横の繋がりというのは少ない状態でした。 チームごとの独立性が高いとはいえ、クラウドはAWSが多い、DBがPostgreSQLが多いといった共通の部分はありますし、技術によらない開発スタイルや工夫などチーム内で留めておくにはもったいないです。

このような課題感から、SRE同士の横の繋がりを強化して情報を共有する場としてSRE Meetupの企画が立ち上がりました。

SRE Meetupの開催へ向けて

情報共有のために集まるというのは、いわゆる共有会や連絡会と呼ばれるようなもので良くあるものかと思います。 ただし、実際に効果的に運営していくのは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。 我々としても、ただ時間を作って集まるだけではうまくいかないだろうという懸念があり、どのように工夫して運営していくか議論を重ねました。 その結果、以下のようなポイントを意識して企画を進めていくことになりました。

  1. 目的意識をしっかりと持って集まる。
  2. 双方向のコミュニケーションを重視する。
  3. 主催者が情熱を持って取り組む。

1. 目的意識をしっかりと持って集まる。

人が定期的に集まって情報を共有をするという場において、最も危惧すべきことは形骸化やマンネリ化です。 目的意識が希薄なまま集まっているだけでは、情報共有が進まないどころかただ時間を浪費しているだけになってしまいます。 ここに関しては、事前アンケートで共有会のそもそもの必要性を確認することと、共有会のコンセプトを明文化して伝えるということを行いました。

まずは参加者向けの事前アンケートです。 いくら主催側が推し進めて共有会を開いたとして、参加者側の課題認識が異なっていたり共有会の価値を感じてもらえなかったら、目的意識も何もありません。 そのため企画の方向がある程度固まった時点で参加者向けに事前アンケートをとってみました。 事前アンケートでは、所属チームでの課題や他チームの活動を知りたいかなどいくつかの質問をしたのですが、参加者側も同じように課題認識があり自分の業務に役立つような話を聞きたいという意見が多く上がりました。 その他にも共有会の企画に役立つ意見も多数得られたので、事前アンケートは良いやり方であったと思います。

次に、共有会のコンセプトの明文化です。 コンセプトについては事前にしっかりと作り込んで資料として明文化しました。 内容は共有会の目的や参加者にお願いしたいことなどまとめて、実際に初回の冒頭に時間をとって説明をしました。 この狙いとしては、目的や会の在り方をしっかりと伝えることと、後から立ち返られる共有会の軸を定めることです。 資料は口頭で説明するだけでなく、いつでも見られるように掲載してあります。

コンセプト説明資料の抜粋。良いことが書いてある。

2. 双方向のコミュニケーションを重視する

共有会の中でのコミュニケーションはなるべく双方向のものにしたいと考えました。 すなわち、特定の人物ばかりが喋るのではなく、多くの参加者が発言することや参加者同士の議論が活発になることを目指しました。

ここに関してはシンプルに共有会では全チーム順番に話してもらうようにしました。 元々各チームの状況を知りたいという要望もあったのでこの形が目的に合致していました。 ただしフリースタイルなのも話しづらいので、話す内容は「直近チームで取り組んだ業務」「相談したいこと」「今月のテーマ」の3つと定めて、話しやすいようにする工夫はしました。 テーマというのはポストモーテム共有とか使ってよかったクラウドサービスとかその時々でトークテーマを決めて話すというものなのですが、このテーマも参加者の要望に基づいて決めるようにしており、双方向のコミュニケーションを意識しています。

共有会の司会進行では、各チームの話が終わったタイミングで他のチームから質問や意見を募る時間をとるようにしました。 これは最後にまとめて質問の時間を取るよりも都度質問できたほうが発言がしやすいと考えてのことで、私が司会の時には自分の意見も織り交ぜるようにして議論が活発になるように努めています。

3. 主催者が情熱をもって取り組む

最後は精神論のようになってしまいましたが非常に重要な点だと考えています。 何を目指しこの共有会を立ち上げたのか、どのようにしていきたいのか、当初の情熱を変わらず持ち続けることが共有会の発展と継続には不可欠です。 主催者は共有会の準備や司会進行など多くの責務を担うので、そこにどのような気持ちで取り組んでいるか大事にすべきだと思っています。 また、どんなものでも最初から完璧ではなくやりながら改善していくものですが、改善へのモチベーションというのもこの情熱をもとに湧き上がってくるものだと思います。

実際にやってみてどうだったか

共有会であるSRE Meetupは、7月に初めて開催してから月次でこれまで5回開催してきました。 参加者からも好評で良いスタートを切ることができたと思います。 実際に議論が盛り上がった内容を一部ご紹介すると、下記のようなものがありました。

  • 負債を溜め込まないために負債返却デーを作って集中的に改善タスクを実施しているチームの取り組み
  • QA環境で想定外にコストが膨らんでいたクラウドサービスのコスト削減方法
  • DBのEOL時期の共有と各チームのバージョンアップ方法の議論

また、共有会をやり始めて良い意味で想定外だったのが、ビデオ会議での発言だけではなくチャットが非常に盛り上がるという点です。 発言よりハードルも低く話も遮らないので、質問や意見、関連するURLの共有など多くのチャットが飛び交っています。 これは非常に嬉しいことで、司会をしている私としてもチャットも適宜拾うとともに、チャットのログは毎回全て議事録に合わせてまとめています。

一方で、しょうがない部分はありますが発言者がある程度固定化されてしまう点や、集まった知見を活用しやすい形式でまとめていきたいといった点が今後改善していきたい部分です。 まだ始まったばかりの取組なので今後も継続的に良くしていきたいと考えています。

まとめ

本記事ではいわゆる共有会をやっていく上で工夫したポイントについて紹介しました。 その時々の状況でベストな手段は変わるので、しっかりと考え抜いて企画をしつつ、反応を見ながら改善していくことが大事だと思います。 今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。

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