2018-10 月から 12 月に掛けて、M3 USA (NY) へエンジニア 3 名(冨岡, 矢崎, および 11 月から笹川)が出張しております。
US での雰囲気やエンジニアリング面での試みなどを数回に分けて ご紹介するシリーズの第一弾として、NY のオフィスや US への長期渡航の tips をご紹介します。
M3 USA
エムスリー(株)の会社概要の連結子会社の一覧 にありますように、M3 には USA, 英国, フランス, ドイツ, スペイン, 中国, 韓国, インド と数多くの国に関連会社があります *1。
そのうちの一つである M3 USA の歴史はインターネットサービスとしては古く、 MDLinx という医療情報提供サービスが 1999 年に始まり、エムスリーグループへの参加も 2006 年にさかのぼります。 今現在でも MDLinx は M3 USA の主要サービスの一つです。
そのように長い歴史があるゆえに、近年に現れた技術などを MDLinx へ導入することで改善や新しい価値を発揮できるポテンシャルがあるというのが技術面での見込みです。
そういった可能性を検討・概念実証すべくエムスリー (日本) のエンジニアが US へ赴いているという状況です。 今回は上記の内容に加えて NY オフィスの様子と海外長期出張の tips をご紹介し、次回以降で技術面でのツールやアプローチ、あるいは NY 滞在にまつわるトピックなどをご紹介しようと思います。
M3 USA NY office
M3 USA のメイン拠点はペンシルバニアにあるのですが、最近は NYC - ニューヨーク市街地のあるマンハッタン島の Penn Station 近辺にある WeWork のオフィススペース も利用しており、今回のプロジェクトではこちらを利用することになりました。
↑ 2F がまるまるフリースペースになっており、外の飲食店が混んでいる時にここで食べたりしています。
↑ 普段はこのような綺麗なすっきりした部屋で業務をしています。ほどよい静かさ・隔離度合いのスペースです。
国外長期出張 Tips (筆者が身をもって知ったことリスト)
Disclaimer: あくまで筆者個人の見解です、以下の通りにすることがベストであると保証するものではありません。
ANA の航空券
今回の渡航では ANA を利用したのですが、ANA オフィシャルサイトでの検索時にはコツがあります。
ANA国際線のトップページ などから上記のようにして検索すると下記のような結果が出るのですが...
最初の画面で「検索条件を追加する」を選択し、以下のように「エコノミー (価格重視型)」を「エコノミー (変更可型)」に変更すると...
↓
以下のように、なんと最初の検索結果よりも多くの座席クラスが表示され、しかも価格重視型(Basic Plus)よりも圧倒的に安いプランが出てきます *2:
しかも Flex は手数料なしで予約変更が可能なので、出張予定が諸事情で変更になるケースなどでも損失を抑えられます *3。筆者は実際に予約変更の必要が生じたため、Flex で助かりました。
現地の番号で 通話・SMS が使える SIM を買って、Uber などでは現地(アメリカ)の電話番号を入れておくと吉
長期渡航では、データ通信だけでなく通話・SMS も可能な SIM を使うほうが良いと思われます。
そして Softbank (アメリカでもそのまま使える)でない場合は別途 SIM を購入することになると思いますが、その場合 Uber, AirBnB などの電話番号は現地の電話番号で設定しておきましょう。
日本の電話番号を入れている場合、通話の転送設定をしているはずでも(なぜか)上手くつながらないといったことが起きます。 筆者はそれによって JFK 空港での Uber の運転手との合流で大変苦労しました (Uber XL での移動自体は大変快適で良い選択でした)。
お互いにとっての通話のコストなどを考えても、現地の番号で連絡が取れる状態にしておいたほうが良いでしょう。
一般的な営業時間帯のうちに宿泊地へ入ったほうが、何かと良い
今回の出張では AirBnB の物件を利用しております (といっても、不動産業者がホストになっている物件なので、個人の家をシェアしているのではないです)。
NYC のとても高い地価において、現実的な価格で、無理のない場所・設備の物件を確保できたため良い選択であったと思います。
されども、NYC で高くない物件であったためか、レビュー履歴では何も問題なさそうであっても以下のような事象があったりします (筆者の体験):
- Lock Box に入っている鍵がなぜか取り出せなくて宿に入れない
- 洗濯機を動かすためのカードとされているカードが通らない (たぶん違う物件のカード)
- 備え付けガスコンロから微妙にガス漏れしてる (前のゲストが壊した疑惑...)
こういったことがあった場合に備えて、ホストの人やスタッフが常時いるのではない物件においては、一般的な Business Hour のうちに宿泊地に入ったほうが良いでしょう。また人が常駐しているケースでも、昼間のほうが代替手段の調達なども出来るため無難かと思います。
筆者は飛行機の到着時間を平日昼間に変更していたため、こういった問題があったもののスタッフの方に実際に来て対処してもらえたため何とかなりました。
EMS は正直アテにならない
筆者は今回始めてEMS によって小包を送ったのですが、公式サイト で目安 3 日とあるにも関わらず、追跡情報で見る限りいつまでたっても日本の取扱局から出てすらいないという有様です *4。通関や米国内の輸送で止まるなら予想の範囲内だったのですが、地元の郵便局で止まってしまうとは...。
税関対策として伝票には荷物の内容を正確に記載するなどのかなりの手間と安くもない送料を投じて発送したものの、必要なときに届きはしない(それどころか、このままいくと受け取れずロストするかもしれない)という結果でした。 時差もあるので問い合わせもはかどらず、トラブルシュートも難しいところがあります *5。
あくまで個人の意見ですが、EMS (国際郵便) は当てにせず、スーツケースでの搬送 *6 + 現地調達 としたほうが良いように思われます。
Amazon prime はとても便利、ただしアカウント・料金が別
US でも Amazon prime はかなり便利です。 特に長期渡航の場合、必需品をスーツケースで全て運べるとも限らないので、現地調達することが少なからずあると思います。
残念ながらも Amazon のアカウントが日本だけ特殊な扱いであるため、グローバルな Amazon でアカウントを別途作ることにはなります。 それゆえ prime の月額料金も別途掛かってしまうのですが、筆者としてはそれ以上のメリットがありました:
- 当然ながら、配送の早さが段違い (一週間以上掛かるものが当日〜2日配送に短縮できたりとか)
- 現地到着直前に注文して Amazon ロッカー に入れておいてもらうという手段も可能 (NYC の場合、ロッカーがかなりあちこちにあります)
- ロッカーの保持期限が 3 日なのでその点には要注意。しかも筆者の場合到着目安日時より「早く」届きました
- (NYC の場合) Whole Foods の商品を Amazon Fresh (prime 限定)でオンラインで買える & 実店舗で買う場合は一部商品が割り引かれる
- 食品の質の幅が広いアメリカですが、Whole Foods は少し高めではあるものの質が全体的に良くバリエーションも揃っており、慣れない海外生活ではかなり良い選択に感じました
- 筆者は実店舗からの帰りで痛くなった腕が今も痛むのですが、prime でオンラインで買えると後になって知りました
(人によるが) 空気清浄機があると良い
NYC は都会ゆえに、どうしても空気が多少濁っています。 また私見ですが、西欧文化として空気自体の清浄化よりも香り付けがメインの文化*7があるようにも思われます。
そのため、筆者の妻のように軽度の喘息がある場合などは大気の質の面での苦労がありえるため、空気清浄機があると安心でしょう。 筆者はこの問題は予想だにしていなかったため、初日に急遽 Amazon で買いました。
時間の余裕(あるいは金の弾丸)は大事
筆者の場合、先述の諸々の事案 + 上記にない細々した色々な事象 で 1.5 日ほど忙殺される結果になりました。
特に、海外渡航や生活に慣れていない OR 経験があってもホテル暮らしのみ という場合に AirBnB などの民泊を利用する際には、時間と精神力の余裕を意図的に多めに取るほうが良いかと思います。あるいは予算に糸目をつけないならば良いホテルなどを選択するのも手段です。
バグ・トラブル報告の方法論は、日々の暮らしでも有用
慣れない異国の地では色々な事案に遭遇しますが、ソフトウエア開発におけるトラブル・バグ報告の方法論はそのような場合のコミュニケーションにおいても非常に有用です:
- まず、何に困っているのか、を一言で明確にする
- どうなっていたのか、どのような操作をしたのか、結果どうなったのか、をそれぞれ事実ベースで順序立てて明記する
- 写真でエビデンス取れるものは写真もつける
- 上記のような事実の記述をしたうえで、自身が期待する結果はなんなのか、うまくいかない根本原因の候補はなにか、こうすればいいんじゃないか、といった期待値や推測も伝える
- 挨拶と前向きな表現を忘れない *8
こういったレポートをまず伝えて、その上で斜め上の回答が来た場合は元のレポートの議論に戻るように軌道修正していけば、だいたい何とかなります (たぶん)。
文化や個々人のバックグラウンドの違いに起因して、伝えるべき情報が誤解される・感覚や感情的に食い違う、といったことを未然に回避する意味で上記の方法論が有効に機能しているというのが筆者の個人的な実感です。ソフトウエア開発も同じように技術理解・指向性や職務内容の違いなどで苦しむことが多い業界であるために、結果として同じような方法論に収斂進化したのかもしれませんね。
最後に
このように異国の地での生活には苦労もありますが、 フレンドリーかつ優秀なチームと仕事をすることが大変良い刺激であることも間違いないです。
NY でのエンジニアリング上の諸々についてはまた追ってご共有いたします。
↑ WeWork オフィスで同じ部屋にいる 4 人の写真です (左から順に 冨岡、Global CTO の Brian、M3 USA の Peter、矢崎)
We are hiring
このように国内外でのさまざまなエンジニアリングの機会がありますので、ご興味あればぜひこちらへコンタクトください: jobs.m3.com
*1:筆者が把握できていないだけで更に他の国にも関連企業があるかもしれません
*2:航空会社のアルゴリズムやその時の予約状況などに依存する結果なので、Basic Plus が最安値であることもあるのだと思います。ただ筆者が見る限り長期渡航ではだいたい Basic Plus は最安ではないようでした。
*3:変更先のチケットが高くなる場合に差額が発生したりはします
*4:当該地域での配送遅延情報などは出ていないのですが
*5:電話窓口しか無いので
*6:ただしこれも lost baggage などのリスクはあるので本当に必要なものはバックアップ手段が必要
*7:なので例えばゴミ袋が香りつきだったりとか。臭気が漏れる前提なのだぁと思いました。
*8:表向きだけでも