エムスリーテックブログ

エムスリー(m3)のエンジニア・開発メンバーによる技術ブログです

【pmconf 2024】クライス&カンパニーのDiscord企画振り返り:プロダクトマネージャーにとってのホームランとは?

こんにちは、こんばんは。今年も年末年始は12/25〜1/5まで連休を取ってみた取締役CTO兼VPoPの山崎です。最近はUL装備*1を充実させる日々を過ごしております。

本ブログはプロダクトマネージャー Advent Calendar 2024の14日目の記事です*2

プロダクトマネージャー Advent Calendar 2023は乗り遅れて枠を取れなかったのですが、その前のプロダクトマネージャー Advent Calendar 2022には以下の記事をポストしていますので、是非ごらんください。

www.m3tech.blog

先日のUL装備キャンプ。Enlightened EquipmentのRevelation 850 30Fを手に入れたので2℃の環境で使ってみました。コット使っている段階でULじゃないじゃん?とか、切り株の上にあるのはアイロンストーブ?とかのツッコミはご遠慮くださいw。

はじめに

皆さん、今年の12/5〜6に開催された日本最大級のプロダクトマネージャーの祭典、pmconf2024、参加されたでしょうか?もちろんされましたよね? 今年は史上初の2 Days開催となり、私は主に1日目のオンラインセッションに参加していました*3。 運営の皆さん、登壇者の皆さん、参加者の皆さん、本当にお疲れさまでした。 今回は参加者ニーズの読みが甘く、うっかり公募に落ちてしまった*4ので、気を取り直して久しぶりの参加者としての参加になりました。

いや、なるはずでした(笑)。

というのも、なんと開催10日前の11/25にクライス&カンパニーの松永さんからご連絡頂き、恒例のDiscordイベントへの登壇オファーが*5! ということで急遽、「プロダクトマネージャーにとってのホームランとは?(仮題)」という議題で、クライス&カンパニーさんが運営している人気のPodcast、PMキャリアラジオの公開セッションを行うことになりました。

クライス&カンパニーさんが運営している人気のPodcast、プロダクトマネージャーのキャリアラジオ*6については、過去何度か出演させてもらっているので、よかったら下記を聞いてみてください。

open.spotify.com

ちなみにpmconf2023で来場者アンケート満足度1位タイだったらしい、昨年の私の登壇はこちらです^^。こちらもよかったらご覧ください。

youtu.be

プロダクトマネージャーにとってのホームランとは?

さて、本題です。ことの発端としては、クライス&カンパニーの松永さん*7から以下の企画案を頂きました。

もしよろしければ、コンテンツとしては、「プロダクトマネージャーにとってのホームランとは?(仮題)」というような形で考えています。 山崎さんの記事や登壇で使われている言葉はPM界隈に浸透していると思っており、改めて「ホームランを打つ」「打席に立つ」などのPM流行語(?)を作った山崎さんご本人からもともとの言葉の定義などをお話しいただいたり、どうすればホームランバッターになれるのかなどお話しいただきたいなと! もっとこういう内容の方が、などご要望有ればぜひお知らせください。 ご検討のほど、何卒よろしくお願い致します!

確かにそうだよな〜と思いつつ何を話そうか考えていったのですが、結論としては、「結論から話すのが良さそうだ」と思い至り、当日、クライス&カンパニーの山本さん*8からの「まず打席とは?」という丁寧なエスコートをちゃぶ台返しして、「そもそも目的はシリーズ優勝です」なんていうとんでもない返答になった次第です。

当日、参加されなかった方のために補足すると、まず最大の目的は(野球で例えると)①シリーズ優勝*9であり、そのためには②試合に勝つ必要があり、そのためには③ホームランやヒットを打って点を取る必要があり、そのためには④打席に立ってバットを振る必要があり、そのためには⑤練習してチームの信頼を得る必要があるということなんじゃないか、というのが今のところの私の考えです。以下、当日の流れに沿って、補足しながら簡単に振り返ります。

①シリーズ優勝

シリーズ優勝とは、企業が顧客から高く評価され、十分な収益が上がっている状態です。 全てのプロダクトマネジメントは、このための方法論に過ぎません。 短期的な収益ではなく、プロダクトに支えられた盤石な収益が、企業に長期的な収益をもたらします。

ほら、だんだんシリーズ優勝したチームが顧客に喜ばれている姿が思い浮かんできましたよね?

横道さんが翻訳担当され、11月販売開始となったマーティ・ケイガンの最新刊「TRANSFORMED」でもプロダクト・オペレーティング・モデルがこれからの企業に大きな収益をもたらす可能性を示しています。

②試合に勝つ

シリーズ優勝するためには、試合で勝たなくてはなりません。少なくとも競合企業より、試合に勝つ必要があります。 試合に勝つとは、一つのプロダクトやサービスが顧客から高く評価され、十分な収益が上がっている状態です。 全てのプロダクトマネジメントは、このための方法論に過ぎないとも言えそうです。

試合に勝つ確率、回数が多ければ多いほど、シリーズ優勝に近づきます。

その企業で提供しているプロダクトやサービスの多くが顧客から高く評価され、十分な収益が上がっていれば、その企業が顧客から高く評価され、十分な収益が上がるというのは当たり前といえば当たり前ですよね*10

③ホームランやヒットを打って点を取る

試合に勝つためには、ホームランやヒットを打って点を取らなければなりません。少なくとも競合サービスより、点を取る必要があります。 ホームランやヒットを打って点を取るとは、一つのプロダクトやサービスの機能や仕様が顧客から高く評価され、十分な収益が上がっている状態です。 これまた、全てのプロダクトマネジメントは、このための方法論に過ぎないとも言えるかも知れません。

ホームランやヒットを打って点を取る確率、回数が多ければ多いほど、試合に勝つことに近づきます。

ちなみに、ホームランやヒットを打って点を取る確率、回数は、その裏にあるプロダクトの世界観に大きく関連しています。 そのプロダクトの世界観が顧客に魅力的で、拡張可能である場合、そこから多くのホームランやヒットが生まれる可能性が高まります。 本件については、これだけでブログ1本かけそうなので、また別の機会で詳しく解説したいと思います*11

④打席に立ってバットを振る

ホームランやヒットを打って点を取るためには、打席に立ってバットを振らねばなりません。 打席に立ってバットを振るとは、プロダクトやサービスの一つ一つの機能や仕様を任せてもらえるという状態です。 ここまで来るとプロダクトマネジメントの一つ一つのテクニックそのものになってきましたよね。

プロダクトやサービスの一つ一つの機能や仕様を任せてもらえるなかで、自分が実際にホームランやヒットを打てるようになっていくのです。

このとき、闇雲にバットを振ったとしても、効率的にホームランやヒットが打てるようになるとは限らないことに注意が必要です。 というのも、効率的にホームランやヒットが打てるようになるためには、成功している先輩PdMの姿を見て、または話を聞いて、自分自身がホームランやヒットが打てるようになる可能性が高いからです。 本件については、一人で振っていくほうが大事なのでは?など、賛否両論あると思いますので、こちらもコメントやご意見頂けると嬉しいです。

⑤練習してチームの信頼を得る

打席に立ってバットを振るためには、練習してチームの信頼を得る必要があります。 練習してチームの信頼を得るとは、プロダクトチームから、プロダクトやサービスの一つ一つの機能や仕様を任せても大丈夫だと認識してもらうことです。 今度はプロダクトチームの中での信頼関係の話になってきましたね。

実は、これがプロダクトマネージャーにとって究極的に重要です。 そして、ジュニアのプロダクトマネージャーにとって、最も困難なハードルとも言えるかも知れません。

というのも、プロダクトの成功=試合に勝てるか、シリーズ優勝できるかは、プロダクトチーム全員のキャリアを左右する可能性があります。 そのためには打席は貴重であり、可能であれば確実に点が取れる選手を打席に立たせたいというチームの想いがあるからです。 その期待に応え、チームの信頼を得るためにはチーム内での発言や意思決定の鋭さ(=精度)が全てを左右すると言っても過言ではありません。

現実問題として、わざわざ負けたくないのですからね。プロダクトマネージャーはおしなべて、これを理解しておくべきです。

なぜこの方法が最強なのか(誰も最強と言ってないw)

実は、これらの話は、プロダクトマネージャーに限ったことではありません。 エンジニアでも、デザイナーでも同じです。 もしかしたらマーケターやセールス、カスタマーサクセスでも同じかも知れません。 シンプルでわかりやすく、かつプロダクトチームの全ての職種に対して応用範囲が広いことが最強たる所以です。

要は、普段の仕事の細部で光る意思決定の鋭さを見せ、より大きなチャンスを勝ち取り、そこで成果を出してさらに信頼を得る、というどんどん大きくなっていくサイクルが、結果的に組織的にも大きな成果につながる、というシンプルな勝利の法則はビジネス的に最強といえば最強ですよね。

特に、エンジニアに練習が必要だ、という話については、以下の「情熱プログラマー」という本に詳しいので、是非エンジニア出身のプロダクトマネージャーは一度読んでみることをオススメします*12

まとめ

いかがだったでしょうか?

プロダクトマネージャー Advent Calendar 2024のネタとして何を書こうか色々と迷ったのですが、今回は「【pmconf 2024】クライス&カンパニーのDiscord企画振り返り:プロダクトマネージャーにとってのホームランとは?」と第してブログ記事としてまとめてみました。 当日、多くの方にpmconf2024のクライス&カンパニーのDiscord企画に参加頂きましたが、その内容を改めて皆さんにお伝えできて良かったです。

反響があれば、クライス&カンパニーさんのプロダクトマネージャーのキャリアラジオや記事などでより詳しい話を取り上げてもらえる可能性もあるとかないとか*13聞いていますので、是非、はてぶやXで感想などポスト頂ければ幸いです。 プロダクト開発で世界を変えようとしている読者の皆さんに、少しでも参考になれば幸いです。@yamamutekingのフォローもお忘れなく。

ということで、今年もあと半月ちょっととなりました。私もまだまだ年内の仕事がてんこ盛りですが、頑張って消化していきましょうw。

冬キャンプが気持ちの良い季節になりました。お気に入りの温度計はThermoProの室内室外同時表示のやつと、SwitchBotの屋外用温度計。前者はキャンプ中にスマホを見る必要がないのが特徴で、後者はログが全部スマホに転送できるのが特徴。

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特にプロダクトマネージャーにとっては打席数も多く、プロダクトマネジメントの基礎知識を習得しながら、社会にインパクトのある収益性の高いプロダクトを開発する経験、ホームランの打ち方を学べるを学べる良い環境だと思います。

また、腕に覚えのあるソフトウェアエンジニアやQA、プロダクトデザイナーの方からの応募も絶賛募集中です!

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*1:ULとはUltra Lightの省略で超軽量装備でキャンプや登山などを楽しむジャンルです。

*2:が、明日用事があるので3時間早いですが、フライングリリースさせて頂きました。

*3:タイミー山口さんの基調講演や、Linkedin曽根原さんのセッション、本当に素晴らしく、勉強になりました!今からセッション動画の公開が楽しみです。

*4:しっかり運営が審査しているという証拠と思います!

*5:もちろん、数ヶ月前によかったら参加してもらえませんか、という打診は頂いておりました。クライス&カンパニーの松永さん、山本さん、お声がけありがとうございました。

*6:https://open.spotify.com/show/2BDUeF54OrvyAL9adfqZrD?si=6dc92491b21b4760

*7:https://x.com/kandc_matsunaga

*8:https://x.com/kreis_yamamoto

*9:もっと言えば10年、20年シリーズ優勝し続けることかなと思います。

*10:もちろん、大きな不祥事やスコンプライアンス違反がない、という前提です。

*11:そのためにも、Xのポストやコメント、よろしくお願いしますw

*12:情熱プログラマー「15. 一に練習、二に練習」を参照のこと。

*13:クライス&カンパニーの松永さん、山本さん、是非よろしくお願いしますw。