はじめに
2026年3月1日、VPoE 河合俊典およびCTO 大垣慶介が新たに業務執行役員に就任し、それぞれ業務執行役員VPoEおよび業務執行役員CTOとなりました。
本記事では、Q&A形式で業務執行役員就任の背景と2人の魅力、これからのエムスリーエンジニアリンググループについてを包み隠さずお伝えします!

- はじめに
- Q1. なぜ今2人が業務執行役員に?
- Q2. “AI時代最速”とは、何の速度を最速化することか?
- Q3. 新しい開発組織になって、現場の何が変わる?
- Q4. 3年後、どんな状態なら成功?
- おわりに
Q1. なぜ今2人が業務執行役員に?
最近、キャンプでの薪ストーブ運用を安全に行うために安価なサーモグラフィーを買って楽しんでいる取締役CPOの山崎です。さて、本日は、なぜこのタイミングでVPoE河合とCTO大垣を業務執行役員として指名したのかという理由について回答します。
まず、前提として、以下の記事に記載の通り、エムスリーエンジニアリンググループでは、来たるAIネイティブ時代に先駆けて、2025年4月より、AI・機械学習チームでチームリーダーを務めていた大垣をCTOとして指名し、新たなCPO、VPoE、CTOの3本柱体制を構築していきました。
この体制変更のポジティブな影響もあり、2025年度はClaude Code使い放題など、エンジニアリング組織のAI活用が勢いよく進んだ1年となりました。
また、2024年4月に設立し、私が代表取締役を務めるエムスリーテクノロジーズ株式会社でも、立ち上げ当初から取締役を任せている元エムスリーVPoE、AI・機械学習チーム出身の岩佐 淳史に加えて、長らくエムスリーの技術顧問をお願いしていた藤原 聖を取締役として迎え、基盤チームやSREチームのリーダーを歴任した高島 亮祐を主力メンバーとして迎えるなど、エムスリーグループ全体のAI化を念頭に組織の強化を進めています。
今回のVPoE河合とCTO大垣の業務執行役員指名は、さらなる時代の変化にスピード感のあるフラットな組織を維持したまま対応するために、今まで取締役として私が担っていた権限の一部を2人に移譲し、エムスリーのエンジニアリング組織をより盤石にするための施策です。
また、この施策は、今までマネジメントチームを支えていたシニアなメンバーにとっても、より若い世代にエムスリーエンジニアリンググループのマネジメントチームを託し、自分たちはエムスリーテクノロジーズの活動を通じて、エムスリーグループ全体のエンジニア組織強化に取り組む最高のチャレンジとなっています。
まさに、pmconf 2025で発表させていただいたプロダクトサイクロンの組織応用編、というわけですね。
Q2. “AI時代最速”とは、何の速度を最速化することか?
今回業務執行役員を拝命した、CTOの大垣です。機械学習・コンピュータビジョンのリサーチャー、MLプロダクトの開発運用をリードする機械学習エンジニア、組織全体の機械学習プロダクト開発・AIネイティブ化をリードするCTOという三側面で仕事をさせてもらっています。
各社AI改革を進めてる中でも、まだまだリサーチャー・機械学習エンジニアのCTOが少ないなと感じているので、仮説・データ作成・モデル作成・検証を正しく回すことを重視する機械学習エンジニアリングの思考法は組織リードにも活きますよというのを声高に言っていきたいところです。
AIの民主化 => それぞれがプロダクト作りの主人公に
最近社員で集まって話すと、"まだこのAI駆動の開発手法って1年しかやってないんですね(あまりにも当たり前になった)"という話がよく出てきます。 1年ほど前の、前述のCTO就任時のインタビューでも書かせていただきましたが、本当に今年度はAIの民主化が進んだ1年でした。
当然現場ではClaude CodeやDevinをはじめとした、AIエージェントを各位が最大活用して進んでいます。マネジメント方針は、AIエージェントに限らないのですが、最適な方法はチームが考えられる、という考え方の元で、やり方を伝えるのではなく、どの選択肢も使い放題にして良いやり方を阻害しない、という方針です。各位の面白い使い方を共有しようという下記記事が出てくるのが、まさに精神を体現してるなぁと思います。
直近はさらに民主化が加速しています。プロダクト開発プロセス全体のスピードを最大化することを目指すなら、開発の速度が大幅改善すると、残り重要となるのが、意思決定のための調査と効果検証になるのですが、この観点ではエンジニアの範疇を超えて、全社でClaude Codeやそれをバックエンドとした社内ツールの活用が進んできています。
同時に、開発が加速したエンジニアの職責も開発を超えて、施策の提案・効果検証による結果責任にも広がるようになってきています。まさに各位がプロダクト作りの主人公になれる、非常に理想的な変化と感じます。
意思決定をボトルネックにしないための組織変革
このようにプロダクト開発速度が飛躍的に向上した中で、最後ボトルネックになるのは人間の意思決定ですよね。 以前1週間(営業日5日)かかっていた開発が2日で終わるなら、何をやるかという意思決定は2.5倍の速度で行う必要があるわけです。 先述の通りにプロダクト作りの主人公は開発している各位なので、必要な意思決定者が各メンバーの方向性の解像度を高めることが重要だと考えています。 それは適切な委譲でも良いですし、一緒にプロダクト作りの主人公になることでも良いです。
このように加速するプロダクト開発において、重要な意思決定を行うエンジニアリング担当役員のスピード・解像度はさらに上げて行く必要がある。このタイミングでCPO/VPoE/CTOの三本柱体制でプロダクトの意思決定を支援することで、理論値3倍の意思決定スループットを出していける体制になったわけです!
つまり、AI時代最速とは、コード生成の速さだけではなく、仮説立案から意思決定までのサイクルを最速化することであり、 AI民主化により開発はもちろん仮説検証も高速化、組織もそれに合わせて変革することでAI時代最速を体現できるのです。
Q3. 新しい開発組織になって、現場の何が変わる?
業務執行役員に就任しました、VPoEの河合(@vaaaaanquish)です。
中学2年生からプログラミングを始め、高専、大学とロボコン等の経験を経て、長らく機械学習エンジニアとして活動しておりました。 外部登壇やOSS貢献を通じて、日本に数名ほどしかいないAI/ML分野でのGoogle Developer Expertsにも認定されております、AI大好きエンジニアです。

長らくエンジニアリング及び機械学習分野に身を置いてきた私が思うに、コードの殆どをAIが書く時代においては『組織のコンパクト化』が起こると思っています。 1人当たりの技術範囲、責任範囲、行動範囲が増え、細分化したエンジニアの職種も少しずつ互いに解け始めるでしょう。
エムスリーは元々、同規模の事業を持つ会社の中でもエンジニアの数は少ない方で、1チームの平均人数は5~7名となっています。エンジニアの事業推進はもちろんのこと、一部エンジニア以外もコードを書くなど、フラットかつオーナーシップを大切にしている組織です。
古典『人月の神話』でも「ソフトウェア開発における人員追加は銀の弾丸になり得ない」とされている通り、古くから語られている話にも関わらず、「コンパクトな開発組織を保つ事は難しい」という一般に周知された事実があります。
私は、山崎からこのコンパクトでフラットな組織を保つ術を引き継ぎながら、その先を行く、エンジニアのチャレンジで溢れ、世の中にイノベーションを届けられる組織を目指して活動します。
故に現場では、今まで通りコンパクトに大きなインパクトを生み出す事に変わりはありません。 あえて言うならば、機械学習エンジニアとして10年以上AIを社会実装してきた経験を元にして「今出せるインパクトをAIでより大きなインパクトに変換する方法」を共に考え、実際に投資できる立ち位置のヒトが増えたと考えて貰えると良さそうです。
Q4. 3年後、どんな状態なら成功?
河合の目標
ギークなエンジニアが集まり、毎年複数の新しいプロダクトを医療業界に届けている、チャレンジとイノベーション溢れる組織。
大垣の目標
変化が早いこの状況で3年後の目標を決めること自体がリスク。言えることは、その瞬間の最速・最大効率で医療を前進させられていることでしょうか。エムスリーのビジネスアセットは強いので、変化を作る側で居続けるために、常に(開発も・意思決定も)最速・最大効率でいられているか、を問い続けることかなと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
エムスリーエンジニアリンググループは、VPoE河合とCTO大垣の業務執行役員就任を通して、更にインパクトを生み出せる組織に変化します。
今後とも引き続き、応援のほどよろしくお願いします。
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