エムスリーテックブログ

エムスリー(m3)のエンジニア・開発メンバーによる技術ブログです

λ kansai in Winter 2026 で運営をしてきました

去る 2026/1/17 に λ kansai in Winter 2026 というイベントの運営をしてきました。

今回から運営メンバーに加わり、また異なる立場でイベントを見てきたので参加記を残しておきます。

特に、今回からは 2 件の招待講演があり、内容もめちゃくちゃ面白かったのでぜひ紹介したいと思います。

はじめに

OCaml が大好き、基盤開発チームの田尻です。 普段は関西に住んでおりまして、そんな私にジャストフィットな関西かつ関数型というニッチなコミュニティが λ kansai になります。

今回が 5 回目となった開催ですが、実は今までの 4 回分も皆勤で参加していました。 皆勤参加ということで (?) 今回からは運営メンバーとなりまして、より深く携わることになりました。

非常に面白い発表が多いのですが、参加者がまだまだ少なめでもったいない! と思っているので、参加記を見て気になった方はぜひ参加・登壇してみてください!

招待講演

今回から、運営よりお声がけさせていただいて 2 件もの発表をしていただきました。

  • Yusuke Endoh さん 型システムを知りたい人のための型検査器作成入門
  • 井上亜星さん Lean プロジェクトの依存関係を 自動更新する

Yusuke Endoh さんの「型システムを知りたい人のための型検査器作成入門」は関数型まつり 2025 での同名の発表 の再演でした。 私は関数型祭り 2025 のスタッフをやっていて現地にいたのですが、スタッフ業務で別の部屋にいたため聞けていない発表でした。 再演を聞ける機会ということで大変ありがたかったです。

肝心の内容ですが、具体的な実装の話が丁寧に展開されて、非常に分かりやすく、(積んでいる TaPL や『型システムのしくみ』を横目に見ながら)自分も実装せねばという気持ちになりました。 プログラミング言語を自作するというのは誰もが (?) 夢見ることですし、やはりゴールは自作言語による自作言語の実装でしょう。*1 今回の話は型検査器を作り、その型検査器の型検査を自身で行う (ブートストラップ) ということで、目標も明確で俄然やる気になります。

井上亜星さんの「Lean プロジェクトの依存関係を 自動更新する」では、Lean の紹介だけでなく、実際にメンテされている OSS ツール lean-update のちょっとした裏話まで濃い話をお話しいただきました。 Lean 自体にも興味があり、実際に使っている方のツラいポイントを聞けるのは良い機会でした。 また、OSS ツールの話では GitHub Actions って結構ツラいよね、というぶっちゃけ話もあり、私も良いところ・悪いところ色々と引っかかってきたので、これも非常に同意できるポイントでした。

今回初の試みでしたが、招待講演としてお二人にはとても面白い話をしていただいたと思います。

LT

また、今回は LT も 5 本あり *2、大ボリュームでした。

  • Motoki KAMIMURA さん Alloy6 (線形時相論理 + 有界モデル検査) でモデリングしてみた
  • グミさん Recursion Scheme の紹介
  • もとさん λ計算を基盤としたOSの検討
  • まつうらさん 時系列信号の計算のために DSL (ドメイン固有言語) を設計してみた
  • えびさん Leanはマクロでできている

タイトルで分かる通り、幅広い発表内容でした。 関数型として非常に深いものから、実際に作ってみた・試してみたというタイプの発表までよりどりみどりです。

個人的には、グミさんの「Recursion Scheme の紹介」が面白く、他の方にもウケが良かったように思います。 Recursion Scheme 自体は検索すると、複雑な理論の話が出てくるようなトピックですが、今回の話は実装の話も多く、分かりやすかったです。

他にも、まつうらさんの「時系列信号の計算のために DSL (ドメイン固有言語) を設計してみた」も実用的な話で面白かったです。 Rust を使って自分のために便利な DSL を作った、という話だったのですが、AI を活用して二週間で言語の設計から LSP 付きのエディタまで実装されていて、会場がどよめいていました。 特別に関数型のトピックではなかったと思いますが、言語を設計するという話は参加者としても興味深い内容でした。

裏話

実は、今回から幾つか新しい試みがありました。

その 1 つが招待講演で、これは既にお話しした通り、大成功したと思います。

もう 1 つはオンラインでの登壇です。 Yusuke Endoh さんがオンラインでの参加ということで、今までやったことのなかったオンライン環境を検討しました。 元々 Discord のサーバーが用意されていたので、Discord のサーバーに登壇者とオンラインの参加者 *3 に入ってもらい、オフラインでの発表をオンラインで投影してもらうという方法で実施しました。

かなり突貫工事でご迷惑をおかけするかなと思っていたのですが、結果的には問題なく開催が出来ました。 こうなると、今後はオンライン開催も検討できるかもしれませんね。(関西とは)

せっかく運営に招いていただいたので、今後も引き続き拡大していきたいと思います!

終わりに

というわけで、非常に面白い話だらけの大満足な会でした。 改めて、登壇者・参加者・運営各位のみなさまには感謝を伝えたいです。ありがとうございました。

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*1:例えば Rust も昔は OCaml で書かれていましたが、今はセルフホストになってますね

*2:元々予定していた方がキャンセルされたのですが、すぐに別の方が応募する盛況ぶり

*3:今回は広く告知していなかったため少数の関係者でした