【Unit7 ブログリレー3日目】こんにちは、プロダクトマネージャーの阪口です。これまでスポーツは野球一筋でしたが、息子が小学校でサッカーを始めたのをきっかけに、Jリーグや海外サッカーを見るようになりました。漫画『アオアシ』や『ブルーロック』にもハマり、今ではすっかりサッカーギークになりつつあります。私が所属するUnit7では、主に医師向けのリサーチサービスを運営しています。

皆さんは、日々のプロダクト開発で、どのようにアイデアを生み出していますか?
エムスリーに入って約2年。幸運にも、いくつかのプロダクトを良い方向に導くことができています。その過程を振り返ったとき、成功の裏に共通のある考え方があったことに気がつきました。今回は、その着想術について記事にしてみました。
違和感を大切にする
入社して数週間が経った頃、印象に残っているCPO山崎との1on1があります。前職の大手SIerとエムスリーのプロダクト開発の違いについて話していた私に、山崎はどちらが良い/悪いではなく、このようなアドバイスをくれました。
「今感じている『違和感』を大事にした方がいい。仕事に慣れてしまうと、忘れてしまう。いつか必ず活きる時が来る」
当時はその言葉の意味を深く理解できていませんでしたが、今振り返ると良い意思決定はこの『違和感』が起点になってことが多いことに気がつきました。
違和感から生まれたプロダクト
私が携わったあるプロダクトの例をご紹介します。それは、医師向けのアンケート調査をセルフサービスで行うものでした。このプロダクトに対し、社内からは当初次のような否定的な意見がありました。
- 単価が低いため、営業が積極的に売りたがらない
- 医療に関するアンケートは複雑で、自分で作成したいというニーズはない
一見、もっともな意見に聞こえるかもしれません。しかし、私はこれらの意見に大きな『違和感』を抱きました。なぜなら、他の業界ではこれとはまったく逆の状況が常識となっているからです。
たとえばエンジニアの世界を考えてみましょう。かつてはWebサービスを構築する際には、サーバーやネットワーク機器を自前で用意し、インフラエンジニアと何度もやり取りしながら膨大な時間と手間をかけていました。しかし、AWSやGCPといったクラウドサービスの登場により、複雑なコミュニケーションから解放され、クリック1つで必要な環境を数分で手に入れることができるようになりました。この圧倒的なスピードこそが、新しいサービスを次々と生み出す原動力となっています。
私は、医師向けのアンケート調査でも同じことが起こるはずだと考えました。クライアントが必要なコミュニケーションを可能な限り排除し、誰でも簡単にアンケートを作成できるプロダクトへと磨き込んだ結果、多くのクライアントから支持されるヒット商品へと成長しました。
違和感を察知する3つの方法
『違和感』を察知できるようになるには、どうすればよいのでしょうか。私が考える3つの方法を紹介します。
1.ドメイン外知識
『違和感』は、これまでの経験から培われた価値観と、目の前の現実とのギャップから生まれると考えてます。だからこそ、自分が担当するビジネス領域(ドメイン)以外の知識が非常に重要になります。
ここまでで紹介した、別の業界の仕事の進め方や成功しているサービス内容は、その代表例です。しかし、対象は必ずしもプロダクトやサービスである必要はありません。スポーツ、音楽、アニメ、ゲーム、漫画、子育てなど、どんなことでも構いません。
重要なのは、その物事について深く考え抜き、ギークになること。そうすることで、プロダクト開発と向き合う際にも、異なる領域の深い知見と比較でき、『違和感』に気づきやすくなるはずです。
2.バルコニーに上がり何が起こっているのか観察する
『違和感』を察知しやすくする、もう1つの方法は、自分が担当するプロダクトやサービスを冷静に観察することです。これは、ロナルド・A・ハイフェッツが提唱した「最難関のリーダーシップ」の考え方を参考にしています。
解決が困難な複雑な問題は、自分自身がその問題の一部となってしまいがちです。そこで、一度「バルコニーに上がる」ように客観的な視点を持ち、何が起こっているかを冷静に観察・診断することが重要だとされています。
エムスリーのプロダクトマネージャーは、プロダクト支援チームという組織から各ビジネスの部署へ「落下傘」しています。組織の中心にいると同時に、外部の人間でもあるという感覚を持つことで、担当するビジネス領域の常識に飲み込まれないようにすることができます。
3.外部の仲間からの視点を借りる
1と2で述べたアプローチをさらに効果的にする方法として、別のチームのプロダクトマネージャーの力を借りることをお勧めします。
まず1人の人間がドメイン外の知識を深めることには限界があります。多様なバックグラウンドをもったギークな仲間と相談することで、自分では気づけなかった『違和感』のタネを発見できる可能性が高まります。
また、どんなに意識していても、人は無意識のうちに担当領域の常識に染まってしまいます。しかし、文字通りの「外部の人間」、つまり別のチームのプロダクトマネージャーは、あなたの担当するビジネスの常識に染まっていません。あなたが当たり前だと思っていることに対しても、「なぜそうするのか?」と純粋な疑問を投げかけてくれます。積極的にコミュニケーションを取り、その沼から救ってもらいましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。私はエムスリーに入るまで、素晴らしいプロダクトはビジネスフレームワークを使いこなすことや、特別な才能から生まれるものだと考えていました。それも確かにありますが、日々の業務の中で見過ごされがちな『違和感』こそが、次のヒットプロダクトを生み出す火種になるかもしれません。
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