エムスリーテックブログ

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Geminiに伴走してもらう仕様理解

【QAチームブログリレー5日目】 こんにちは! エムスリーエンジニアリンググループ QAチームの城本(@yuki_shiro_823)です。 先日から新しく電子カルテを開発しているデジカルチームとの兼任を始めました。初めて触るプロダクトで効率的に知識を吸収するための「伴走者」として、Geminiを使ってみたのでやったことをご紹介します。

伴走してもらってるイメージ

こちらもAIに仕様理解を助けてもらっている記事です。よろしければ合わせてどうぞ。

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仕様理解へのAI導入背景

社内での兼任とはいえ、プロダクトが変わるとドメイン知識の習得が必要となります。

従来の業務での知識習得は、ドキュメントの読み込みやチームメンバーからのレクチャーが中心でした。今回も最初に軽くレクチャーをしてもらい、その後実際にプロダクトを触ってみて覚えるという方針で一通りの操作ができるリグレッションテストを進めています。テスト実施中に分からないことが出てきた際は、都度マニュアルや開発用のドキュメントを見たり、メンバーに質問していました。

ただ、ドキュメントが膨大なのと「自分で調べられることは自分で調べたい」という思いから、会社でも正式に導入されているGeminiを伴走者として進めてみることにしました。

Geminiとの伴走で進めるオンボーディング

現在オンボーディングとしてリグレッションテスト用のテストケースを一通り手動で進めています*1。リグレッションテストの項目には基本的に丁寧に手順が書かれています。ただ、まれに分からない用語があったり手順が分かりにくかったりするので、そこをGeminiに助けてもらいました。

Geminiに助けられている部分

デジカルではユーザー向けマニュアルが整備されているため、テスト手順で分からないことがあればまずそこを見ます。しかしデジカルのマニュアルは700ページを超えており*2、知りたいことにピンポイントにたどり着くのに時間がかかったりします。そこでまずはGeminiにマニュアルを読み込んでもらいました。その上でテストを進める中で出てきた分からない用語の一般的な説明とデジカルにおける使い方と操作方法を教えてもらうようにしています。

一例をご紹介します。テストケースに「日計表を出力する」という項目がありました。日次で何かを計算している表だということは推測できますが、私にとっては耳慣れない言葉だったのでGeminiに意味とデジカルでの操作方法を合わせて質問しました。

Geminiからの返答

するとキャプチャのように一般的な意味とデジカルでの操作方法を教えてくれます。用語の意味の検索と、デジカルでの操作方法をマニュアルで確認するという2点が一度で確認できました。ピンポイントで知りたいことにたどり着ける点がとても助かっています。

チームメンバーにきいた方がよい部分

Geminiには基本的に助けてもらっていますが、ネット上に情報が少なかったり専門性が高いものの場合はチームメンバーに質問した方が早いです。

例えば「電子カルテのテストで入力してる薬剤が検索にヒットしなかったので同じ診療報酬点数になる薬剤教えて」という質問にはGeminiは答えてくれませんでした。 (薬剤の名称変更等いくつかの理由で薬剤が電子カルテ上で検索にヒットしなくなることがたまにあります) 診療報酬点数のデータをGeminiが持ってないことが理由でした。

まとめと今後取り組みたいこと

今回は仕様理解をAIに助けてもらいました。ネット上での検索と、分量の多いドキュメントからピンポイントな調べ物をするのに効率的で、仕様のインプットとは相性が良さそうです。一方AIのテスト計画やテスト設計での活用は、私のチームはまだ実用化には至っていません。今後はこの分野でもAIの活用にチャレンジしたいと思います。

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*1:リグレッションテストはほぼ自動化されてます。今回は仕様キャッチアップ中は自分の手で動かした方が理解が進むため手動で実施しました

*2:各都道府県の公費の設定方法など細かく書かれているため分量が多くなっています