エムスリーテックブログ

エムスリー(m3)のエンジニア・開発メンバーによる技術ブログです

エンジニア内定者がビジネスサイドでインターンしてみて

こんにちは、2019年新卒ソフトウェアエンジニア内定者の金山(@__tepppei__)です。以前、「学生から見たエムスリー」という記事で、就活インターンの様子を書きました。今回は、内定後に再度内定者インターンをしてみて見えてきたことを書きます。

時系列を整理すると、

  • 2017年 4月 大学院進学
  • 2017年 7月-8月 AIチームにてエンジニアインターン(←前回記事
  • 2017年 9月 内々定
  • 2018年 6月-9月 AIラボにてビジネスインターン(←今回記事)
  • 2019年 4月 入社予定

という感じです。

今回のインターンでは自分の希望を汲んでいただき、ビジネス色が強い業務を担当しました。インターン期間の前半1ヶ月は、マーケットリサーチやエムスリーが運営するメディアの施策検討など幅広く様々な業務に携わりました。後半3ヶ月は、主に医療画像診断AIプロダクトのマネジメントを担当させていただきました。この記事では、後者の内容を振り返りたいと思います。

概要

今回私が担当したプロジェクトは、「シンガポールのIT企業と協力して画像診断AIを開発し、臨床試験を経て、日本市場に売り出す」というものでした。ワクワクしますね。開発自体はエムスリー社内では行わず、いわゆるオフショア開発に近い形態でした。私は将来的にはプロダクトのライフサイクル全てに関わる仕事がしたいと思っているので、プロダクトの全貌が俯瞰できる今回の業務は大変良い経験となりました。

私の業務は、はじめのうちは本プロジェクトにメインで携わっているビジネスサイドの中島さん・AIラボ所長の高木さんの指示に従ってお手伝いする形で始まり、徐々に裁量の範囲を広げていただきました。具体的な業務内容としては、プロダクトの仕様書・ページ遷移図・ワイヤーフレームの作成/ブラックボックステストのためのテストケースの作成/開発者への仕様の伝達と確認/改善案の提案と検討、などです。

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難しかった点

以下、実際に業務を通じて難しいと感じた点をまとめます。(注意:まだプロダクトがリリースされたわけではないので抽象的な話が多くなっています。実際に市場に出る頃にはもっと具体的な話が書けると思います。)

コミュニケーション

まず第一の困難として、当然ですが日本語が通じないという点が挙げられます。必然的に英語でコミュニケーションを取ることになるわけですが、自分も相手もネイティブではないため、意思疎通が難しかったです。特に自分にとってはインド訛りの早口な英語を聞き取るのが非常に困難で、文面でのやりとりは自分で行いましたが、口頭でのオンライン会議はほぼ社員の方に任せきりになってしまいました。

また、言語の問題はある意味表面的な問題で、時間をかければなんとかなりそうな感じがするのですが、文化的違いも一筋縄ではいかないと感じました。例えば、先方がメールで「要求された箇所の実装が終わったから確認してくれ」と送ってきたので確認すると、こちらの要求の半分程度しか終わっていないことも多々ありました。これは先方が怠惰という話ではなく、「終わった」と見なす基準が異なるのだと考えられます。逆に、ただ単にこちらの要求をこなすだけでなく、真意を汲み取ってより良いプロダクトになるように提案してくださることもありました。これらは文化の違いに起因するのか、それとも彼ら特有の気質によるものなのかは一概には判断できませんが、いずれにせよ相手の性質をよく観察して最適な方法でコミュニケーションを取ることが重要だと感じました。

技術

今回は自分で開発をするわけではなかったのですが、それでも技術に対する相応の理解が必要だと感じました。特に今回のような医療AIプロダクトは会社としても初めての取り組みという側面が強く手探り状態で試行錯誤しながら進める必要があったため、一旦仮決めした仕様をあとから改変・追加する必要が出てきます。その際、例えば仕様の改善案がいくつかあった場合、開発コストに対する効果がどの程度かを常に考える必要がありました。

開発系の仕事との並行作業

実は今回のプロジェクトと並行して、深層学習を用いた別のプロジェクトも並行して任されていました。こちらはほぼプログラミングのタスクで、自分が普段大学でやっていることとかなり近かったのですぐに終えられると思っていたのですが、その考えが甘かったです。作業が全然進まない…!プロダクトマネジメントの業務は多くの人とコミュニケーションを取る必要があるため断続的に作業が進行していくことになりますが、一方でコーディングは一気に集中してやりたいものです。この両者を自分の中で両立するのはかなり難しいと感じました。

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インターン終了時の送別会にて、AIラボの方々からプレゼントをいただきました。

得たもの

以下、今回のインターンを経て得たものをまとめます。

何が得意かが分かった

今回のプロジェクトは、多くの人たちと関わりながら進めていく性質が強い業務でした。前回のインターンは「論文を読んで追実装し、性能評価を行う」という内容だったため、コミュニケーションという観点では対照的な内容でした。多くの人と関わりながら進めていくプロジェクトの場合、余計なオーバーヘッドが生じやすく自分のペースで進められないため技術者からは敬遠されることも多いと聞きますが、自分はそういう点も含めて、人と関わるプロジェクトが好きだということが改めて分かりました。また、プロダクトを良くしていくために必要なことであれば、どんな業務でも(は言いすぎかもしれませんが)苦にならないということも分かりました。

得意を活かすために必要なことも分かった

今回の取り組んだ内容はとても楽しかったのですが、入社してすぐにこれだけをずっとやり続けたいかというとそうは思いませんでした。もっともっと自分が見ている世界を広げていきたいです。例えば、単に「プロダクトマネージャ」と言うと自分自身がプロダクトを作れる必要は必ずしも無いわけですが、私は今回の経験をふまえて、自分自身の手でプロダクションコードを書けるようになりたいと強く思うようになりました。また、コミュニケーションに関しても、もう少しで業務に活かせるレベルの英語が身につきそうな感じがしたので、こちらも継続して練習しようと思いました。

最後に

今回のインターンを経て、自分が今後やりたいこと/そのためにやるべきこと が改めて分かりました。 ビジネスもエンジニアリングも理解している、野球で言うところの大谷翔平のような二刀流になるか、それともどちらも中途半端にしかできない草野球のおっちゃんになるか、今後の行方にご期待ください。

インターン募集

私はこの2年でAIチーム/AIラボともに見てきましたが、どちらもスピード感を持ちつつ世の中にインパクトを与えられるようなとても面白い時期にあるように思います。エムスリーでのインターンに興味を持たれた方は、下記リンクからご応募ください!

jobs.m3.com

また、エムスリーのエンジニアインターンについてより詳しく知りたい方は下記のブログも御覧ください。

www.m3tech.blog